結婚・恋愛コスパ論 / COST

結婚はコスパが悪すぎる。男が結婚で失う金額を生涯ベースで試算したら絶句した

約7,900万円年収600万・子2人の男が65歳までに結婚で失う金(試算)
454.3万円結納・婚約から新婚旅行までの総額の平均
約4,000万円独身と既婚で65歳時点に開く金融資産の差(モデル)

同期の結婚式に呼ばれるたびに、ご祝儀の3万円を包みながら思わないか。「この二人、これからいくら使うんだろう」と。式場のスクリーンには幸せそうな写真が流れ、新郎は泣きながら手紙を読んでいる。だが俺には、あの新郎の背中に見えない請求書の束がぶら下がっているように見える。

結婚式で数百万円。子供が生まれれば1人あたり数千万円。家族向けのマンションに35年ローン。妻の生活費。そして3組に1組の割合で起きている離婚。小遣い月3万円台で、昼飯をワンコインに抑えながら「家族のために頑張る」既婚男を、お前は本当にうらやましいと思うか?

俺たちは感情論はやらない。この記事では、年収600万円の男が32歳で結婚し、子供2人を育てるモデルで、65歳までに結婚で消える金を生涯ベースで試算する。結婚のメリットも正直に並べたうえで、損得を判定する。自分の条件で計算できる計算機もつけた。数字を見てから、それでも結婚したいか考えろ。

この記事の結論

  1. 年収600万円・子2人のモデルで、65歳までに結婚で消える金は約7,900万円
  2. 最大の費用は子供。養育費と教育費で1人約2,700万円
  3. 結婚式から新婚旅行までの総額は平均454.3万円。スタート地点からマイナスだ
  4. 積立額の差を運用に回すと、65歳時点で約4,000万円の資産差がつく
  5. 二人暮らしの節約や税の優遇はあるが、子供と離婚のリスクで吹き飛ぶ

試算の前提:年収600万円の男のモデル

まず、試算の前提を決めておく。東京で働く、ごく普通の会社員を想定した。

試算のモデル
項目前提
本人会社員男性、年収600万円(手取り約460万円)
結婚する年齢32歳(試算は65歳までの33年間)
妻パート勤務。家計への持ち出しは月3万円と仮定
子供2人。高校まで公立、大学は私立
住まい家族向けの広さが必要。独身向けとの家賃差は月3万円を25年
結婚式など婚約から新婚旅行まで約393万円(ご祝儀などを差し引いた目安)

専業主婦や子供3人、私立中学受験といった「よくある」選択をすれば、金額はさらに膨らむ。逆に言えば、このモデルはかなり控えめな条件だということを覚えておいてくれ。

65歳までに消える金は、約7,900万円

このモデルで、結婚によって65歳までに消える金を項目別に並べるとこうなる。

結婚で65歳までに消える金の内訳(モデル)

Fig. 01
モデル試算。養育費は1人1,640万円(AIU保険「現代子育て経済考」の基本的養育費)、教育費は1人約1,069万円(高校まで公立+私立大学、文部科学省「子供の学習費調査」と大学の標準的な学費から概算)。妻の生活費は月3万円×33年、家賃差は月3万円×25年
約7,899万円結婚で65歳までに消える金(モデル合計)
約239万円1年あたりに直すと。手取り460万円の半分以上
約17年分手取り460万円で割ると、何年分の手取りに相当するか

合計で約7,900万円。手取り460万円の約17年分だ。33年の結婚生活のうち、半分以上の期間の手取りが、まるごと家族のために消える計算になる。都心の新築マンションが一戸買えてお釣りがくる金額を、男は結婚によって差し出している。

最大の費用は子供:1人約2,700万円

内訳を見れば一目瞭然だが、最大の費用は子供だ。1人あたり、養育費約1,640万円と教育費約1,069万円で、合計約2,700万円。子供2人なら約5,400万円になる。

子供1人あたりの教育費(幼稚園〜大学)の目安
進路教育費の目安
高校まで公立+国公立大学約842万円
高校まで公立+私立大学約1,069万円
幼稚園から私立+私立大学約2,448万円

中学受験をさせ、私立中高一貫校に通わせれば、教育費は一気に跳ね上がる。東京では中学受験が珍しくない。塾代だけで小学4年から3年間に200万円以上かかることも普通だ。東京で子育てする男の財布は、ザルだ。

「子供はお金じゃない」と言う奴へ

じゃあ聞くが、なんで中学受験の塾代の話になると目の色が変わるんだ? お金じゃないなら、公立で十分だろう。子供はお金じゃないと言いながら、一番金の話をしているのは子持ちの親だ。

スタート地点からマイナス:結婚式の費用

結婚は、始める時点から金がかかる。リクルートの「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」によると、費用の平均はこうだ。

結婚にかかる費用の平均(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)
項目平均額
結納・婚約〜新婚旅行までの総額454.3万円
うち挙式・披露宴・ウエディングパーティー総額343.9万円
うち新婚旅行61.6万円

ご祝儀で一部は戻ってくるとはいえ、婚約指輪も新婚旅行も自腹だ。しかも、新居への引っ越し、家具と家電の買い替えも待っている。結婚生活は、数百万円のマイナスからスタートする。独身なら、その数百万円は新NISAの口座で複利を生み始めている。

65歳時点の資産差は、約4,000万円

結婚で消える金は、ただ消えるだけではない。その金を運用していたら得られたはずの利益も一緒に消える。年収600万円の男が、32歳から65歳まで毎年積み立てる額を、独身なら年80万円、既婚なら年20万円として、年4%で運用した場合の資産の推移を比べてみよう。

32歳から積み立てた金融資産の推移(年4%運用・モデル)

Fig. 02
モデル試算。毎年末に積み立て、年4%で複利運用した単純計算(税引前)。実際の積立額は家計によって異なる

65歳時点で、独身は約5,300万円、既婚は約1,300万円。約4,000万円の差だ。この差は、老後の暮らしの質にそのまま響く。独身は老後資金の心配がほぼなくなる一方、既婚男性は子供の大学費用を払い終えた50代後半から、慌てて老後資金を貯め始めることになる。

計算機:自分の条件で試算する

モデルの条件が自分に合わないなら、自分の年収、結婚する年齢、子供の人数と進路、妻の働き方で計算してみてくれ。離婚した場合の費用も加えられる。

結婚コスト計算機

結婚した場合に、65歳までに消える金のざっくり試算。

結婚で消える金(65歳まで) 0円
子供の養育費+教育費—
妻の分の生活費—
家族向け住居の家賃差—
婚約・挙式・新婚旅行—
離婚時の財産分与+養育費—
同じ金を年4%で運用していたら—

前提:基本的養育費1,640万円/人(AIU試算)、教育費は文部科学省「子供の学習費調査」と大学の標準的な学費から概算。挙式費用はゼクシィ結婚トレンド調査の平均値前後。妻の生活費は専業6万・パート3万円/月、家賃差は月3〜6万円(25年)と仮定。離婚は婚姻中の貯蓄(年収の1割×10年)の半分と、算定表の傾向から単純化した養育費15年分。あくまで簡易モデルの目安だ。

計算機の初期設定(年収600万円・32歳・子2人・妻パート)では、結果は約8,800万円になる。本文のモデル(約7,900万円)との差は、計算機が子供2人の家族向け住居の家賃差を月6万円、本文のモデルが控えめに月3万円としているためだ。住まいの条件次第で、結婚のコストは簡単に1,000万円近く上下する。

子供の人数をゼロにすると、金額が一気に下がるのがわかるはずだ。結婚のコストの大部分は、子供のコストだ。そして「結婚したら子供を」という周囲の圧力は、結婚した瞬間から始まる。

結婚のお金のメリットも、正直に並べる

公平のために、結婚にお金のメリットがないわけではないことも認めておく。

結婚のお金のメリットと、その限界
メリット内容限界
生活費の分担家賃や光熱費を二人で分けると、一人あたりの生活費は下がる子供が生まれると、分担どころか費用が一気に増える
共働きの世帯収入二人とも正社員なら世帯収入は大きい出産・育児で妻が時短やパートになると、収入は大きく減る
配偶者控除妻の年収が一定以下なら所得税・住民税が軽くなる年収600万円の男で、節税額は年に十数万円程度
遺族年金夫が亡くなった場合に妻や子が受け取れる受け取るのは家族であって、本人の得ではない
老後の二人暮らし老後の生活費を分け合える熟年離婚になれば、年金も資産も分割される

メリットの多くは、子供を持たない共働き夫婦で最も大きくなる。だが、結婚した夫婦の多くは子供を持つことを期待される。そして子供が生まれた瞬間、メリットはコストに飲み込まれる。「子供を持たない共働き」という最も得な形でさえ、離婚というリスクからは逃れられない。

離婚という、最大のリスク

2025年の婚姻件数は約48.9万組、離婚件数は約17.9万組だった。単純に比べると、結婚3組に対して離婚が約1組の割合で起きている(同じ年に結婚した夫婦が離婚しているわけではないので、離婚する確率そのものではない)。

離婚すると、男の財布は次のように傷つく。

  • 財産分与:婚姻中に築いた財産は、名義に関係なく原則2分の1ずつ分ける。稼いだのが夫だけでも、半分は妻のものになる
  • 養育費:子供が成人するまで、毎月支払いが続く。家庭裁判所の算定表では、年収や子供の人数によって月数万円から十数万円になる
  • 婚姻費用:離婚が成立する前に別居すると、その間も妻と子の生活費を払い続ける義務がある
  • 住宅ローン:夫名義で家を買っていれば、出て行った家のローンを払い続けることもある
  • 年金分割:婚姻期間中の厚生年金の記録も分割の対象になる

結婚でお金を差し出し、離婚でさらに半分を持っていかれる。結婚は、損失が確定した上に、さらに追加の損失リスクがついた契約だ。

金だけじゃない:時間のコスト

結婚のコストは金だけではない。時間も大量に消える。6歳未満の子供を持つ夫の家事関連時間は1日114分(総務省「社会生活基本調査」2021年)。年間に直すと約690時間だ。子供が6歳になるまでの6年間で、約4,100時間が家事と育児に消える。

これに家族サービスの休日、親戚付き合い、学校行事が加わる。独身なら、その時間で資格を取り、副業を育て、趣味を極めることができる。時間は、金と違って取り戻せない。

既婚男性の「自由に使える金」の現実

結婚した男が自由に使える金は、いくらか。SBI新生銀行の「会社員のお小遣い調査」では、男性会社員の小遣いの平均は月3万円台(2024年は39,081円)だ。昼食代を含めてこの金額という人も多い。

年収600万円・独身

  • 手取り月約38万円がすべて自分の裁量
  • 家賃と生活費を引いても月10万円以上を自由に使える
  • 積立も趣味も旅行も自分で決める

年収600万円・既婚子2人

  • 給料は家計に入り、妻が管理
  • 小遣いは月3万円台。昼食代込みも多い
  • 欲しいものは「家族会議」で決まる

同じ年収、同じ仕事。違うのは、結婚したかどうかだけだ。稼いでいるのは自分なのに、自分のために使える金は1割にも満たない。これを「幸せ」と呼べるかどうかは、それぞれの価値観次第だが、少なくともコスパがいいとは言えない。

判定:結婚は、コスパが悪いのか

ここまでの試算を、コスパの観点で整理する。

結婚のコスパ判定(年収600万円・子2人のモデル)
項目独身既婚・子2人
65歳までに家族に使う金0円約7,900万円
65歳時点の金融資産(モデル)約5,300万円約1,300万円
自由に使える金(月)10万円以上3万円台
子育ての家事・育児時間(子が6歳まで)0時間約4,100時間
離婚のリスクなし財産分与・養育費・年金分割

結論ははっきりしている。金と時間と自由で測る限り、結婚はコスパが悪すぎる。それでも結婚する価値があると思うなら、それは金では測れない何かに約7,900万円を払うということだ。その覚悟がないなら、結婚しないのが正しい。

まとめ:7,900万円を、自分の人生に使え

年収600万円の男が32歳で結婚し、子供2人を育てると、65歳までに約7,900万円が消える。最大の費用は子供で、1人約2,700万円。結婚式から新婚旅行までの総額は平均454.3万円で、結婚生活はマイナスからスタートする。

積立額の差を運用に回すと、65歳時点で約4,000万円の資産差がつく。二人暮らしの節約や税の優遇はあるが、子供と離婚のリスクで吹き飛ぶ。小遣い月3万円台の既婚男性と、手取りをすべて自分で使える独身男性。どちらの人生を選ぶかは、自由だ。

俺たちは選んだ。7,900万円を、自分の人生に使う。末代で何が悪い。

よくある質問

結婚すると男はいくら損しますか?

条件によって大きく変わる。この記事のモデル(年収600万円、32歳で結婚、妻はパート、子供2人で高校まで公立・大学は私立)では、65歳までに子供の養育費と教育費、妻の生活費、家族向けの住まいの家賃差、結婚式などで約7,900万円がかかる計算になる。

結婚式にはいくらかかりますか?

リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」によると、結納・婚約から新婚旅行までにかかった総額の平均は454.3万円、挙式・披露宴の総額の平均は343.9万円だった。ご祝儀で一部は戻るが、婚約指輪や新婚旅行は自己負担になる。

結婚にお金のメリットはありますか?

ある。二人暮らしは家賃や光熱費を分け合えるので一人あたりの生活費が下がり、共働きなら世帯収入も増える。配偶者控除などの税制上の優遇もある。ただし子供を持つと費用が一気に増え、離婚すれば婚姻中に築いた財産は原則2分の1ずつ分けることになる。

共働きなら結婚のコスパは良くなりますか?

子供を持たない共働き夫婦なら、生活費を分け合える分、独身より有利な面もある。ただし子供を持つと、保育料、教育費、時短勤務による収入減などで負担は大きくなる。また共働きでも夫の家事・育児時間は増える傾向にあり、時間のコストは避けられない。

結婚しない方が資産は増えますか?

同じ収入なら、独身の方が貯蓄や投資に回せる金は多くなりやすい。この記事のモデルでは、毎年の積立額の差(独身80万円、既婚20万円)を年4%で33年運用すると、65歳時点で約4,000万円の差になる。

出典・参考資料

  1. リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」
  2. AIU保険「現代子育て経済考」(基本的養育費の試算)
  3. 文部科学省「子供の学習費調査」
  4. 文部科学省「私立大学等の入学者に係る初年度学生納付金平均額」
  5. 厚生労働省「令和7年 人口動態統計(確定数)の概況」
  6. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」
  7. SBI新生銀行「会社員のお小遣い調査」2024年
  8. 裁判所「養育費・婚姻費用算定表」
  9. 国税庁「配偶者控除」「配偶者特別控除」