ソロ活 入門と極意 / SOLO-KATSU

ソロ活が増加・流行りの理由。一人消費市場の拡大をデータで読む

38.0%一般世帯に占める単独世帯の割合(2020年)
44.3%2050年の単独世帯の割合(推計)
18.0%国内宿泊旅行のうち、ひとり旅の割合

一人焼肉の専門店ができた。カラオケには一人用の部屋が増えた。ホテルは一人泊のプランを売り出し、キャンプ用品店には一人用のテントが並ぶ。街が、一人客のために作り変えられている。

ソロ活が流行っているのは、誰の目にも明らかだ。だが、これは一時のブームなのか。答えはノーだ。データを見れば、ソロ活の増加は人口と世帯の構造そのものの変化から来ていることがわかる。流行のように、来年しぼむものではない。

この記事では、ソロ活が増加している理由を公的データで7つに分解する。「一人は寂しい少数派」だと思っている既婚者は、自分たちの方が少数派になりつつある現実を知っておくといい。

この記事の結論

  1. 単独世帯の割合は1970年の20.3%から2020年の38.0%へ。2050年には44.3%になる推計だ
  2. 国内宿泊旅行のうちひとり旅は18.0%で、夫婦旅行に次ぐ2位
  3. 一人でも寂しくない未婚男性は、1997年の37.1%から2025年の60.3%へ
  4. 店とサービスが一人客を取りにきている。スマホが一人の行動を簡単にした
  5. ソロ活の増加はブームではなく、世帯と価値観の構造変化だ

データで見る、一人で行動する人の増加

まず、ソロ活の増加を示すデータを並べてみよう。

一人で行動する人の増加を示すデータ
指標以前最新出典
一般世帯に占める単独世帯の割合20.3%(1970年)38.0%(2020年)国勢調査
国内宿泊旅行のうちひとり旅の割合15.9%(2023年度)18.0%(2024年度)じゃらん観光国内宿泊旅行調査
一人でも寂しくないと思う未婚男性37.1%(1997年)60.3%(2025年)出生動向基本調査
独身の利点に「行動や生き方が自由」を挙げる未婚男性65.0%(1987年)72.7%(2025年)出生動向基本調査

どの指標も、同じ方向を向いている。一人で暮らす人が増え、一人で旅する人が増え、一人でも寂しくないと感じる人が増え、一人の自由を大事にする人が増えている。ソロ活の増加は、この大きな流れの一部だ。

理由1:一人暮らしの世帯が、家族類型で最多になった

一番大きな理由は、一人暮らしの世帯が増えたことだ。国勢調査で見ると、一般世帯に占める単独世帯の割合は、1970年には20.3%だった。それが1990年には23.1%、2015年には34.5%、2020年には38.0%になった。単独世帯は、夫婦と子供の世帯を抜いて、家族類型の中で最も多い。

一般世帯に占める単独世帯の割合(実績と推計)

Fig. 01
出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」表7-10、表7-12(日本の世帯数の将来推計・2024年推計)。実績は国勢調査。年の間隔は等しくない

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、この割合は2030年に41.6%、2050年には44.3%になる。単独世帯の数は、2020年の約2,115万世帯から2035年ごろには約2,450万世帯まで増える。一人で暮らす人が増えれば、一人で食べ、一人で遊ぶ人が増えるのは当然だ。

理由2:結婚しない男が増えた

単独世帯が増えた理由の一つが、未婚化だ。50歳の時点で一度も結婚したことのない男性の割合(50歳時未婚率)は、1990年の5.6%から2020年には28.3%になった。男性の4人に1人以上は、50歳まで結婚しない。

結婚しない男が増えれば、休日を家族ではなく自分のために使う男が増える。家族サービスがない休日は、一人で好きなことをする休日になる。ソロ活が男の間で広がっているのは、この数字を見れば自然なことだ。

理由3:一人でも寂しくないと感じる人が増えた

人数が増えただけではない。一人でいることへの感じ方も変わった。出生動向基本調査では、18〜34歳の未婚男性のうち「一人の生活を続けても寂しくないと思う」人は、1997年の37.1%から2025年には60.3%になった。

一人の生活を続けても寂しくないと思う未婚男性の割合

Fig. 02
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査」概要版図表4-1。18〜34歳の未婚男性

一人を「寂しいもの」ではなく「自由なもの」と感じる人が増えた。だから、一人で焼肉屋に入ることも、一人で旅に出ることも、恥ずかしいことではなくなった。価値観が変われば、行動が変わる。

理由4:店とサービスが、一人客を取りにきた

一人客が増えれば、店とサービスも一人客に合わせて変わる。今では、一人客を前提にした業態がいくつもある。

一人客向けに広がったサービスの例
分野一人客向けの例
外食一人焼肉の専門店、一人鍋・一人しゃぶしゃぶ、カウンター中心の店、仕切り席
娯楽一人カラオケ専門店、一人用の個室ブース、映画館のネット予約
宿泊ホテルの一人泊プラン、一人客歓迎の旅館、カプセルホテルの高級化
旅行一人参加限定のツアー、一人旅向けのプラン
アウトドアソロキャンプ用のテントや道具、ソロ向けのサイトがあるキャンプ場
サウナ個室サウナ、一人客が多いサウナ施設

店側から見れば、一人客はカウンターの空席を埋められ、回転も早い、ありがたい客だ。そして一人客は、自分が満足できればお金を惜しまない。一人客を取りに行かない店は、増え続ける市場を逃すことになる。サービスが増えれば一人で行動しやすくなり、さらに一人客が増える。この循環が、ソロ活を後押ししている。

理由5:スマホが、一人の行動を簡単にした

スマホの普及も大きい。昔なら、一人で知らない店に入るには勇気が要った。今は違う。

  • 予約:予約サイトで「1名」と入れれば、一人で入れる店だけが出てくる。電話で「一人ですが」と言う必要もない
  • 口コミ:「一人でも入りやすい」「カウンター席あり」という情報が、事前にわかる
  • 地図と翻訳:知らない街でも、海外でも、一人で迷わず歩ける
  • 手持ち無沙汰の解消:待ち時間に一人でいても、スマホがあれば気まずくない

スマホは、一人で行動するときの不安と手間を、ほとんど取り除いた。一人旅の計画も、一人焼肉の店探しも、スマホ一台で済む。

理由6:コロナ禍で「一人で過ごす習慣」が広がった

2020年からのコロナ禍も、一人の行動を広げるきっかけになった。大人数での会食が避けられ、一人で食べる、一人で過ごすことが「普通」になった。総務省の社会生活基本調査(2021年)でも、一人でいた時間は、5年前に比べてすべての年齢層で増えていた。

そして、コロナ禍が落ち着いたあとも、一人の快適さを知った人の多くは、元の大人数の付き合いに戻らなかった。飲み会は減り、一人で好きな店に行く人が増えた。コロナ禍は、多くの人に「一人の方が楽だ」と気づかせた。

理由7:「ソロ活」という言葉が、一人に名前をつけた

最後の理由は、言葉だ。一人で行動を楽しむことを指す「ソロ活」という言葉は、2019年に朝井麻由美さんの『ソロ活女子のススメ』が出版され、2021年にテレビドラマ化されたことで広く知られるようになった。それ以前から「おひとりさま」「ソロ充」という言葉もあった。

言葉の力は大きい。「一人で焼肉に行った」と言うと寂しく聞こえても、「ソロ活で焼肉に行った」と言えば、前向きな趣味に聞こえる。一人の行動に名前がついたことで、それを堂々と楽しめるようになった。

ひとり旅は、旅行の「2番目に多い形」になった

ソロ活の拡大が特にわかりやすいのが、旅行だ。リクルートの「じゃらん観光国内宿泊旅行調査」では、観光目的の国内宿泊旅行のうち、ひとり旅の割合は2023年度に15.9%、2024年度に18.0%だった。夫婦旅行(25.6%)に次ぐ2位だ。

国内宿泊旅行のうち、ひとり旅の割合

Fig. 03
出典:リクルート じゃらんリサーチセンター「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024」「同2025」。観光目的の宿泊旅行(出張・帰省などを除く)

しかも、男性では18〜29歳と50代でひとり旅が最も多い同行形態だった。若い男も、中年の男も、一番多いのは一人で旅に出る形だ。旅行者の5〜6人に1人は一人旅をしている。一人旅は、もう特別な旅の形ではない。

一人客を歓迎する店の見分け方

一人客向けのサービスが増えたとはいえ、すべての店が一人客を歓迎しているわけではない。一人客を歓迎する店には、わかりやすいサインがある。

一人客を歓迎する店のサイン
サインどこで確認するか
カウンター席がある店の写真、予約サイトの座席情報
1名から予約できる予約サイトで人数を「1名」にして検索
一人前・ハーフサイズのメニューがあるメニュー表、公式サイト
口コミに「一人でも入りやすい」とある口コミサイト、地図アプリのレビュー
一人客向けのプランや「お一人様歓迎」の表示ホテルや旅館の予約ページ、店頭

このサインがある店は、一人客が来ることを前提に作られている。最初はこうした店から選べば、ソロ活の失敗はほとんどなくなる。そして、一人客を大事にする店に通うことは、一人客向けのサービスをさらに増やす後押しにもなる。お前の一回の来店が、次の一人客のための席を作る。

ソロ活は、ブームではなく構造変化だ

ここまでの7つの理由を整理すると、ソロ活の増加は2種類の変化でできている。

  • 戻らない変化:単独世帯の増加、未婚化、価値観の変化。人口と世帯の構造は、数年で元に戻るものではない
  • 加速させる変化:一人客向けのサービス、スマホ、コロナ禍、ソロ活という言葉。構造の変化を、さらに後押ししている

流行のファッションは数年で消える。だが、一人で暮らす人が4割を超える社会で、一人で行動する人が減ることは考えにくい。ソロ活は、これからの日本の「標準の遊び方」の一つになっていく。

「一人は少数派」と思っている既婚者へ

夫婦と子供の世帯は、すでに単独世帯より少ない。お前が「普通の家族」だと思っている形は、もう日本の世帯の多数派じゃない。一人焼肉の専門店が増え、夫婦と子供向けのファミレスが減っていく街で、少数派になりつつあるのはどっちか、よく考えてみろ。

これから、ソロ活はどうなるか

単独世帯が増え続ければ、ソロ活はさらに広がる。予想できる変化を挙げておく。

  • 一人客向けのサービスがさらに増える:一人前のコース、一人用の個室、一人旅のプランは、もっと当たり前になる
  • 「2名様から」が減っていく:一人客を断る店は、客を逃すことになる
  • 中高年のソロ活が増える:単独世帯の増加は、中高年でも進んでいる。金と経験を持った大人のソロ活は、これからの大きな市場になる
  • ゆるいつながりのサービスが増える:一人で参加できる趣味の教室、一人参加のツアー、一人客の多いバーなど、一人のまま緩くつながれる場が増える

一人で行動する男にとって、これからの日本はどんどん住みやすくなる。街が、お前に合わせて変わっていく。

この流れに、今から乗っておけ

ソロ活が当たり前になる社会で、一番得をするのは、早くから一人を楽しむ力を身につけた男だ。一人で店に入れる、一人で旅ができる、一人の時間を楽しめる。その力があれば、増えていく一人客向けのサービスを、全部使いこなせる。

逆に、一人で何もできない男は、世の中がどれだけ一人に優しくなっても、その恩恵を受けられない。流れに乗るなら、今からだ。

まとめ:ソロ活の増加は、止まらない

単独世帯の割合は1970年の20.3%から2020年の38.0%へ増え、2050年には44.3%になる推計だ。国内宿泊旅行のひとり旅は18.0%で、夫婦旅行に次ぐ2位。一人でも寂しくない未婚男性は60.3%になった。

ソロ活が増えているのは、一人暮らしの増加、未婚化、価値観の変化という戻らない変化に、一人客向けのサービス、スマホ、コロナ禍、ソロ活という言葉が加速をかけたからだ。これはブームではなく構造の変化で、止まらない。

街は一人客に合わせて変わっていく。末代で何が悪い。

よくある質問

ソロ活はなぜ増えているのですか?

一人暮らしの世帯と未婚者が増えたこと、一人でも寂しくないと感じる人が増えたこと、一人客向けの店やサービスが増えたこと、スマホで一人でも予約や情報収集がしやすくなったこと、コロナ禍で一人で過ごす習慣が広がったこと、ソロ活という言葉が広まったことなどが重なっている。

一人暮らしの世帯はどれくらい増えていますか?

一般世帯に占める単独世帯の割合は、1970年の20.3%から2020年の38.0%に増えた。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年には44.3%になる。単独世帯は、すでに家族類型の中で最も多い。

ひとり旅は増えていますか?

増えている。リクルートのじゃらん観光国内宿泊旅行調査では、観光目的の国内宿泊旅行のうちひとり旅の割合は、2023年度の15.9%から2024年度には18.0%になり、夫婦旅行に次ぐ2位だった。男性では18〜29歳と50代でひとり旅が最も多い同行形態だった。

ソロ活はブームで終わりますか?

ブームで終わる可能性は低い。一人暮らしの世帯は今後も増え、2050年には一般世帯の4割を超えると推計されている。一人で行動する人が増えるのは、人口と世帯の構造の変化によるもので、流行のように急にしぼむものではない。

ソロ活という言葉はいつ広まったのですか?

一人で行動を楽しむことを指す言葉として、2019年に朝井麻由美さんの『ソロ活女子のススメ』が出版され、2021年にはテレビドラマ化されたことで広く知られるようになった。それ以前から、おひとりさま、ソロ充などの言葉も使われていた。

出典・参考資料

  1. 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」表7-10、表7-12
  2. 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2024年推計)
  3. 総務省統計局「令和2年国勢調査」
  4. 国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査 結果の概要」
  5. リクルート じゃらんリサーチセンター「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024」「同2025」
  6. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の要約」
  7. 朝井麻由美『ソロ活女子のススメ』(大和書房、2019年)