学生のころは、何もしなくても友達がいた。同じ教室、同じ部活、同じ寮。毎日顔を合わせ、くだらない話をして、気づけば友達になっていた。大人になった今、最後に新しい友達ができたのは、いつだろう。
友達が減ったのは、お前だけではない。結婚した友人を見てみろ。飲みに誘えば「家族の予定が」、週末は子供の習い事の送り迎え、たまに会っても話は子供の受験と住宅ローン。気づけば、家族と職場以外に話せる相手は一人もいない。既婚の男こそ、友達を失っている。
おひとりさまの男には、友達を作る時間と自由がある。この記事では、大人の男がしがらみなく繋がれる7つの場所と、作った友達を長続きさせる距離感をまとめた。友達は、恋人を探す場の副産物ではない。それ自体が、人生の財産だ。
この記事の結論
- 大人の友達は、放っておけば減っていく。自分から場に出ていくしかない
- 独身の利点に「友人との広い人間関係」を挙げる未婚男性は23.4%から14.7%に下がった
- 友達を作れる場所は7つ:趣味・学び・行きつけの店・昔の友人・地域・ネット・仕事の外
- 友達作りを目的にせず、楽しめる場所に通い続けろ
- 長続きのコツは、濃くなりすぎない距離感
大人の友達は、自然には増えない
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査は、18〜34歳の未婚者に、独身生活の利点を聞き続けている。その中の「友人などとの広い人間関係が保ちやすい」を挙げた未婚男性の割合は、こう変わってきた。
独身の利点に「友人などとの広い人間関係が保ちやすい」を挙げた未婚男性
Fig. 011987年には23.4%の未婚男性が、独身なら友人との広い人間関係を保ちやすいと考えていた。2025年には14.7%まで下がった。独身でいれば自然と友達付き合いが広がる、と考える人は減っている。独身でも、友達は放っておけば増えないのだ。
なぜ大人の友達は増えないのか。学校がないからだ。学校は、同じ年代の人間が毎日同じ場所に集まり、利害関係なく過ごす場所だった。大人には、そういう場所が自然には用意されていない。だから、自分で作るしかない。
大人の男に、友達ができにくい理由
- 毎日会う場所がない:職場はあるが、利害関係が絡む
- 周りが家庭に入る:30代、40代で友人は家族中心の生活になる
- 自分から誘わない:断られるのが怖い、面倒だと思われたくない
- 男同士は「用事」がないと会わない:ただ会って話す、という習慣が少ない
- プライドが邪魔をする:「友達がほしい」と言うのが恥ずかしい
特に大きいのは、男同士は用事がないと会わないということだ。女性同士なら「お茶しよう」で会えるが、男同士は「何をするか」がないと集まりにくい。だからこそ、「何かをする場」に通うのが、大人の男の友達作りのいちばんの近道になる。
しがらみなく繋がれる、7つの場所
| 場所 | 例 | 向いている男 |
|---|---|---|
| 1. 趣味の場 | サークル、趣味の店、イベント | 好きなものがはっきりしている男 |
| 2. 学びの場 | カルチャー教室、語学、資格の勉強会 | 新しいことを始めたい男 |
| 3. 行きつけの店 | 居酒屋、喫茶店、バー、銭湯 | 酒や店が好きな男 |
| 4. 昔の友人 | 同級生、元同僚、昔の仲間 | 疎遠になった友人がいる男 |
| 5. 地域 | 町内会、ボランティア、祭り | 住んでいる町に長くいる男 |
| 6. ネット | 趣味のコミュニティ、オンラインゲーム | 人見知りの男、遠方の仲間がほしい男 |
| 7. 仕事の外 | 業界の勉強会、異業種の集まり、元同僚 | 仕事の話ができる仲間がほしい男 |
この7つのうち、自分に合う場所を2〜3つ選べ。全部に顔を出す必要はない。大事なのは、選んだ場所に何度も通うことだ。一度行っただけでは、友達はできない。
1. 趣味の場:同じものが好きなら、話題に困らない
大人の男の友達作りで、いちばん自然なのが趣味の場だ。同じものが好きな人とは、年齢も職業も関係なく話せる。話題に困らない。「何を話せばいいか」と悩む必要がない。
- サークル:山歩き、草野球、フットサル、将棋、囲碁、合唱、写真
- 趣味の店:模型店、釣具店、自転車店、レコード店、古書店。常連同士で話すようになる
- イベント:鉄道のイベント、模型の展示会、ライブ、試合観戦
趣味の仲間のいいところは、利害関係がないことだ。仕事の上下も、家庭の事情も関係ない。同じものを好きだという一点だけでつながる。しがらみのない友達は、ここで生まれる。
2. 学びの場:同じ目的の人が集まる
総務省の社会生活基本調査(2021年)によると、学業以外の「学習・自己啓発・訓練」をした人の割合は39.6%で、5年前より2.7ポイント上がった。大人が学ぶのは、もう当たり前になっている。
学びとボランティアの行動者率の変化
Fig. 02学びの場には、同じ目的を持った人が集まる。料理教室、陶芸、語学、楽器、写真、歴史講座、資格の勉強会。毎週同じ時間に同じ顔ぶれが集まり、同じ課題に取り組む。学校と同じ構造が、そこにはある。だから、友達ができやすい。
特に、少人数で、何回も続く講座を選べ。1回きりのセミナーでは、友達はできない。半年、1年と続く講座なら、回を重ねるごとに顔見知りになり、帰りに一杯行く仲間ができる。
3. 行きつけの店:店主が橋渡しをしてくれる
居酒屋、喫茶店、バー、銭湯。同じ店に通い続けると、店主が顔を覚えてくれる。そして、店主が常連同士の橋渡しをしてくれることがある。「この人も野球が好きなんですよ」。それをきっかけに、隣の常連と話すようになる。
- カウンターのある店を選ぶ:店主や隣の客と話しやすい
- 同じ曜日、同じ時間に通う:同じ常連と顔を合わせやすい
- 店主に挨拶をし、一言交わす:顔を覚えてもらう第一歩
- 無理に話しかけない:相手が話したそうなときだけ話す
行きつけの店で生まれる友達は、店の中だけの関係でいい。店の外で会う必要はない。週に一度、同じ店で顔を合わせ、天気や野球の話をする。それだけで、十分に大人の男の友達だ。
4. 昔の友人:いちばん簡単な友達作り
新しい友達を作るより、昔の友人を取り戻す方が簡単だ。同級生、元同僚、昔の部活の仲間。何年も連絡していなくても、一度は仲がよかった相手だ。
40代、50代になると、子育てが落ち着いた昔の友人が増える。彼らは、家族中心の生活が一段落して、昔の仲間と飲みたいと思っていることが多い。ただ、お互いに「向こうから連絡が来るだろう」と待っているだけだ。
- 連絡先を探す昔の年賀状、SNS、共通の知り合い。
- 短く連絡する「久しぶり。元気? 今度飲まない?」で十分だ。
- 日程を具体的に出す「来月の第2金曜はどう?」と、こちらから候補を出す。
- 会えたら、定例にする「また来月も」と、次の約束をその場でする。
10人に連絡して、2〜3人と会えれば上出来だ。断られても、何も失わない。昔の友人は、連絡した方が勝つ。
5. 地域:住んでいる町に、仲間を作る
住んでいる町の友達は、老後にいちばん頼りになる。定年後に毎日を過ごすのは、職場ではなく、家の周りだからだ。
同じ社会生活基本調査では、ボランティア活動をした人の割合は17.8%で、5年前より8.2ポイント下がった(コロナ禍の影響もある)。地域の活動に参加する人は減っている。だからこそ、顔を出せば歓迎される。特に、働き盛りの男は、地域の活動で頼りにされることが多い。
- 町内会の清掃や祭り:年に数回の行事に顔を出すだけで、顔見知りができる
- 防災の訓練や活動:男手が求められることが多い
- 地域のボランティア:子供の見守り、清掃、高齢者の手伝い
- 公民館や図書館の講座:地域の人が集まる
6. ネット:入口として使え
人見知りの男、近くに同じ趣味の人がいない男には、ネットの趣味のコミュニティが入口になる。オンラインゲームの仲間、趣味の掲示板、SNSの趣味のアカウント同士のつながり。
ただし、ネットだけで完結させない方がいい。ネットで知り合った趣味の仲間と、イベントや展示会で実際に会う。顔を合わせると、関係はぐっと深まる。そして、ネットの相手とは、最初は人の多い場所で会うこと。金や投資の話が出たら、すぐに距離を置け。
7. 仕事の外:仕事の話ができる仲間
職場の同僚とは、利害関係があって本音を話しにくい。だが、職場の外で仕事の話ができる仲間は、貴重な友達になる。
- 業界の勉強会や交流会:同じ業界の他社の人と知り合える
- 異業種の集まり:違う仕事の話は、刺激になる
- 元同僚:会社を辞めた元同僚は、利害関係のない友人になれる
仕事の外の仲間は、転職や定年のあとも続くことが多い。職場が変わっても、関係は残る。
友達を作る5つのコツ
- 友達作りを目的にしない「友達を作りに行く」のではなく、「趣味を楽しみに行く」。目的が違うと、相手も構える。
- 同じ場所に通い続ける人は、何度も顔を合わせる相手に親しみを感じる。3回目くらいから、自然に話すようになる。
- 自分から挨拶する「こんにちは」「また会いましたね」。挨拶は、関係の入口だ。
- 相手の話を聞く自分の話より、相手の話を聞く。質問をする。人は、自分の話を聞いてくれる人を好きになる。
- 小さく誘う「帰りにお茶でもどうですか」。いきなり大きな約束をせず、小さく誘う。
いちばん大事なのは、同じ場所に通い続けることだ。一度行っただけで「友達ができなかった」とあきらめる男が多い。友達は、通った回数に比例してできる。最低でも3か月は通い続けろ。
大人の友達を長続きさせる距離感
大人の友達は、濃くなりすぎない方が長続きする。学生のころのように毎日会う必要はない。
| やること | やらないこと |
|---|---|
| 月に1回程度、会う | 毎日連絡する |
| 相手の都合を優先する | 相手の生活に踏み込みすぎる |
| 断られても気にしない | 断られたら根に持つ |
| 割り勘か、交互にごちそう | お金の貸し借り |
| 相手の話を聞く | 自分の話や愚痴ばかり |
| 趣味や興味の話で盛り上がる | 政治や宗教で議論をふっかける |
大人の友達は、お互いの生活を尊重し合う関係だ。相手には相手の仕事があり、家族があり、事情がある。誘いを断られても、「また今度」でいい。しつこく誘わず、根に持たず、次の機会を待つ。ゆるい関係ほど、大人は長く続く。
既婚の友人との付き合い方
おひとりさまの男の友人には、既婚者も多い。既婚の友人と長く付き合うには、相手の家庭の事情を理解することが大事だ。
- 誘うなら早めに:家族の予定を調整する時間が必要だ
- 短い時間でもいい:仕事帰りの1時間、休日のランチ
- 断られても責めない:子供の行事や家族の都合は、本人にもどうにもならない
- 独身の自由を自慢しすぎない:相手が羨ましく思うのは仕方ないが、わざわざ刺激しなくていい
そして、既婚の友人は、子育てが終わるとまた戻ってくることが多い。50代、60代になって、家族中心の生活が一段落した友人が、「また昔みたいに飲もう」と連絡してくる。そのとき、お前が話題豊富で、楽しく暮らしていれば、友人は喜んで戻ってくる。
友達作りと、出会いの場を混ぜるな
友達作りの場を、恋人探しの場として使う男がいる。趣味のサークルに入って、女性ばかりに話しかける。教室に通って、異性の参加者に連絡先を聞く。これをやると、友達はできず、場からも浮く。
趣味の場は、趣味を楽しむ場所だ。下心のある男は、すぐに見抜かれる。そして、同じ場所に通い続けることができなくなる。下心を捨てた男の方が、人間関係はずっと豊かになる。
友達を装った勧誘に注意しろ
友達を求めているとき、向こうから「友達」が近づいてくることがある。だが、その中には、友達を装った勧誘も混じっている。
- 「仲間」「コミュニティ」を強調して、商品やセミナーを売る:マルチ商法
- 優しく近づいて、投資や暗号資産の話をする:投資詐欺、ロマンス詐欺
- 久しぶりの昔の知り合いが、急に会いたがる:勧誘のことがある
見分け方は簡単だ。会って間もないのに、金の話が出る。それが出たら、友達ではない。本当の友達は、金の話から始まらない。
友達を作るおひとりさまと、友達を失う既婚者
友達を作るおひとりさまの男
- 趣味の場と学びの場に、週に1回通う
- 行きつけの店で、常連と天気の話をする
- 昔の友人と、月に1回の定例の飲み会
- ゆるい距離感で、しがらみなく長く付き合う
友達を失った既婚の男
- 飲みに誘われても「家族の予定が」
- 週末は子供の習い事の送り迎え
- 家族と職場以外に、話せる相手がいない
- 定年後、誰に連絡していいかわからない
もちろん、家族を持ちながら友達付き合いを大事にしている既婚の男もいる。だが、友達を作る時間と自由が多いのは、おひとりさまの男だ。その自由を、しがらみのない友達を作るために使え。
俺には、月に一度飲む昔の仲間がいて、週末の山歩きのサークルがあって、カウンターで野球の話をする常連がいる。全員、しがらみのない友達だ。お前の友達は誰だ? 職場の同僚と、妻の友人の夫だけだろう。定年したら、その中の何人が残る?
まとめ:友達は、通った回数に比例してできる
大人の男の友達は、放っておけば減っていく。独身の利点に「友人などとの広い人間関係が保ちやすい」を挙げる未婚男性は、1987年の23.4%から2025年には14.7%に下がった。学校のない大人には、自分で場を作るしかない。
趣味の場、学びの場、行きつけの店、昔の友人、地域、ネット、仕事の外。7つの場所から2〜3つを選び、通い続けろ。友達作りを目的にせず、自分から挨拶し、相手の話を聞き、小さく誘う。長続きのコツは、濃くなりすぎない距離感だ。友達作りの場を恋人探しに使うな。会って間もない相手から金の話が出たら、距離を置け。
しがらみのない友達は、おひとりさまの男の財産だ。末代で何が悪い。
よくある質問
大人になると友達ができにくいのはなぜ?
学校のように、毎日同じ人と顔を合わせ、利害関係なく過ごす場がなくなるからだ。職場の人間関係には利害が絡み、周りの友人は家庭を持って時間がなくなる。自分から場に出ていかないと、友達は自然には増えない。
大人の男が友達を作れる場所は?
趣味の場(サークル、教室、趣味の店)、学びの場(講座、資格の勉強会)、行きつけの店、昔の友人、地域の活動、ネットの趣味のコミュニティ、仕事の外の集まり(勉強会、元同僚)などだ。
友達を作るコツは?
友達を作ることを目的にせず、自分が楽しめる場所に通い続けることだ。同じ場所に何度も顔を出すうちに、顔見知りができ、話すようになり、自然と友達になる。自分から挨拶し、相手の話を聞くことも大事だ。
友達と長続きするには?
濃くなりすぎない距離感を保つことだ。毎日連絡しない、相手の生活に踏み込みすぎない、誘いを断られても気にしない、お金の貸し借りをしない。ゆるい関係の方が、大人の友達は長く続く。
友達作りを装った勧誘に注意すべき?
注意すべきだ。「仲間」「コミュニティ」を強調して商品を売るマルチ商法や、優しく近づいて金の話をするロマンス詐欺、投資詐欺がある。会って間もない相手から金や投資の話が出たら、距離を置くべきだ。
出典・参考資料
- 国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査」(2025年)概要版図表1-7
- 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」(学習・自己啓発・訓練、ボランティア活動の行動者率)