ソロ充マネー / MONEY

独身男の稼ぎ方。年収を上げる転職・副業の戦略

40.5%転職で前職より賃金が増加した人(令和6年)
45.9%40〜44歳で転職して賃金が増加した人
305万人副業がある非農林業従事者(2022年、5年で60万人増)

節約は、限界がある。家賃を下げ、通信費を下げ、保険を見直しても、月に数万円が限界だ。だが、収入には上限がない。年収が100万円上がれば、手取りで70万円以上増える。それは、どんな節約よりも大きい。

家族持ちの男は、収入を上げる冒険がしにくい。「住宅ローンがあるから転職はできない」「子供の学校があるから引っ越しは無理」「休日は家族サービスで副業の時間がない」。収入を上げたいのに、家族の事情が足を引っ張る。

独身の男は、転職も副業も、自分一人の判断で動ける。この記事では、国の統計で転職と副業の実態を確かめ、独身の男が年収を上げる3つの道(転職・副業・社内昇進)の戦略をまとめた。

この記事の結論

  1. 転職で賃金が増えた人は40.5%、減った人は29.4%。増える人の方が多い
  2. 40代でも増加は45%台。55歳を過ぎると減る人の方が多くなる
  3. 副業がある人は305万人で、5年で60万人増えた
  4. 年収を上げる道は、転職・副業・社内昇進の3つ
  5. 家族に縛られない独身の男は、どの道も自分の判断で選べる

なぜ、節約より収入なのか

資産を増やす方法は、収入を上げるか、支出を下げるか、運用するかの3つしかない。このうち、支出を下げるのには限界がある。生活費をゼロにはできない。運用は、元手が大きくなってから効いてくる。

一方、収入には上限がない。編集部の概算では、独身会社員の手取りは、年収500万円で約389万円、600万円で約461万円、700万円で約529万円だ。年収が100万円上がれば、手取りは約70万円増える。月に約6万円だ。これを毎月積み立てに回せば、新NISAの枠もiDeCoの拡充も、ずっと早く使い切れる。

転職で、賃金は上がるのか

厚生労働省の雇用動向調査(令和6年)によると、1年間の転職入職者のうち、前職と比べて賃金が「増加」した人は40.5%、「減少」した人は29.4%、「変わらない」人は28.4%だった。「1割以上の増加」は29.4%で、前年より3.8ポイント上がった。

つまり、転職した人の4割が賃金を上げ、3割近くが1割以上上げている。賃金が増えた人の割合は、減った人の割合を11.1ポイント上回っている。転職は、もう「賃金が下がる覚悟でするもの」ではない。

年代別に見ると、55歳が分かれ目だ

年代別・転職で賃金が増加・減少した人の割合(令和6年)

Fig. 01
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(前職雇用者で調査時在籍者)

30代から40代後半までは、転職で賃金が増えた人が45%前後で、減った人を大きく上回っている。45〜49歳でも46.4%が増加だ。50〜54歳になると増加は39.0%に下がり、55〜59歳では増加27.4%、減少36.6%と逆転する。

つまり、転職で年収を上げるなら、50代前半までが勝負だ。40代の独身の男なら、まだ十分にチャンスがある。50代後半からの転職は、賃金よりも、働き方や定年後を見据えた選択になることが多い。

年収を上げる3つの道

年収を上げる3つの道
道向いている男上がり方リスク
転職今の職場で評価や給与が頭打ち一度に大きく上がることがある職場が合わない、年収が下がる可能性
副業本業の経験や趣味の技術を生かせる少しずつ上乗せ時間と健康、就業規則、税金
社内昇進昇進の道が開けている着実に上がる責任と仕事量が増える

どれか一つを選ぶ必要はない。社内で昇進を目指しながら副業で上乗せし、頭打ちになったら転職する。独身の男は、この3つを自分の判断で組み合わせられる。

道1:転職で一気に上げる

  1. 自分の市場価値を知る転職サイトに登録し、スカウトの内容や提示される年収を見る。今の年収が相場より低いかどうかがわかる。
  2. 専門性を言葉にする何ができるのか、どんな成果を出したのか。数字で語れるように職務経歴を整理する。
  3. 伸びている業界・職種を狙う人手が足りない分野ほど、年収は上がりやすい。
  4. 在職中に動く辞めてから探すと、焦って条件の悪い職場を選びやすい。
  5. 年収以外も確かめる退職金、企業年金の有無、残業、勤務地。手取りと老後の両方で比べる。

独身の男の転職の強みは、勤務地や働き方の制約が少ないことだ。家族持ちの男は、子供の学校や配偶者の仕事のために、通える範囲でしか探せない。独身の男は、全国の求人、転勤のある職場、出張の多い仕事も選択肢に入れられる。選択肢が広いほど、条件のいい職場に出会える。

転職先を比べるときは、企業年金の有無も見ておけ。企業年金のない会社なら、2026年12月分からiDeCoの掛金を月6.2万円まで出せる予定だ(金融機関の案内による)。年収だけでなく、老後の制度まで含めて比べろ。

転職で失敗しないために

転職で賃金が減った人も29.4%いる。1割以上減った人は21.7%だ。転職は、うまくいけば大きく上がるが、失敗すれば下がる。失敗の多くは、準備不足と焦りから生まれる。

  • 辞めてから探す:収入がない焦りから、条件の悪い職場に飛びつく
  • 年収の額面だけで決める:残業代込みの年収、退職金や企業年金のない職場、通勤時間の長さを見落とす
  • 職場の中身を確かめない:仕事の内容、人間関係、評価の仕組みを知らずに入る
  • 今の職場への不満だけで動く:次の職場で何をしたいかがないと、同じ不満を繰り返す

独身の男は、転職で一時的に収入が下がっても、家族を巻き込まずに立て直せる。だが、それは無計画に動いていい理由にはならない。生活防衛資金を半年分以上持ち、在職中に次を決めてから辞める。これだけで、失敗の多くは避けられる。

道2:副業で上乗せする

総務省の就業構造基本調査(2022年)によると、非農林業従事者のうち副業がある人は305万人で、5年前より60万人増えた。そして、今の仕事に加えて別の仕事もしたいと考える追加就業希望者は493万人で、5年前より93万人増えた。

副業がある人と、追加就業を希望する人(非農林業従事者)

Fig. 02
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」。2017年は2022年の値と「5年前に比べ」の増加数から算出

副業は、独身の男にいちばん向いた稼ぎ方だ。家族持ちの男が「休日は家族の時間」と言っている間に、独身の男は平日の夜と休日を、自分の判断で副業に使える。

  • 本業の経験を生かす:経理、設計、プログラミング、営業、翻訳。本業の技術は、そのまま副業になる
  • 趣味の技術を生かす:写真、文章、料理、楽器、模型。好きなことが収入になる
  • 教える:資格や語学、仕事の技術を、オンラインで教える
  • 時間を売る:短時間のアルバイト。確実だが、時給は上がりにくい

おすすめは、本業の経験を生かす副業だ。時給が高く、本業の技術も磨かれる。副業で磨いた技術が、転職のときの武器にもなる。副業は、収入の上乗せであると同時に、転職の準備でもある。

副業の注意点

  • 就業規則を確かめる:副業を認めているか、届け出が必要か。黙ってやると、本業での立場を失うことがある
  • 確定申告:会社員の場合、副業の所得が年20万円を超えると、原則として確定申告が必要になる
  • 住民税の徴収方法:確定申告のとき、副業分の住民税を自分で納める方法を選べることがある
  • 健康:本業と副業で働きすぎて、体を壊せば元も子もない。一人の男は、倒れても看病してくれる人がいない
  • 怪しい副業:「誰でも月100万円」「スマホで簡単」と高額な情報商材や講座を売りつける勧誘には乗るな

特に、副業を装った詐欺には気をつけろ。最初に高額な教材やサポートの費用を払わせる手口がある。稼ぐための副業で、先に金を払わされたら、それは副業ではない。

道3:社内で昇進する

いちばん地味だが、確実なのが社内での昇進だ。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、男性の所定内給与は、40〜44歳の月39万8,200円から、55〜59歳の月44万5,600円まで上がっていく。昇進すれば、この平均を大きく超えられる。

  • 評価の基準を知る:会社が何を評価するのかを、上司や人事に確かめる
  • 成果を数字で示す:売上、コスト削減、時間の短縮。評価面談で数字を出す
  • 管理職の役割を引き受ける:後輩の育成、プロジェクトの取りまとめ
  • 資格を取る:昇進の条件になっている資格や、手当がつく資格

独身の男は、仕事に時間を集中させることも、自分の判断でできる。もちろん、働きすぎて体を壊すのは本末転倒だ。だが、勝負の時期に仕事に集中できるのは、家族の予定に縛られない独身の男の強みだ。

どの道も、土台は専門性だ

転職も、副業も、昇進も、土台は専門性だ。何ができるのか、どんな成果を出せるのか。それが市場で評価されるから、年収が上がる。

  1. 今の仕事の強みを書き出す何が得意で、どんな成果を出したか。
  2. 市場で求められている技術と比べる求人情報を見て、足りない技術を知る。
  3. 足りない技術を学ぶ資格、講座、独学。平日の夜と休日を使う。
  4. 副業や社内の仕事で使ってみる学んだ技術を、実際の仕事で試す。
  5. 実績として語れるようにする職務経歴書に書ける成果にする。

独身の男は、学ぶ時間と金を、自分の判断で使える。平日の夜に講座に通い、休日に資格の勉強をする。家族持ちの男が「子供が大きくなってから」と先送りにしていることを、今すぐ始められる。自分への投資は、いちばん利回りのいい投資だ。

上がった収入を、どう使うか

年収が上がったら、増えた分の使い方が大事だ。収入が上がるたびに生活水準を上げれば、いくら稼いでも何も残らない。

  • 増えた分の半分を積立に回す:iDeCoの掛金を上げ、新NISAの積立を増やす
  • 生活防衛資金を厚くする:転職や副業で収入が不安定になる時期に備える
  • 残りの半分で暮らしを少し良くする:頑張った自分へのご褒美も大事だ

増えた収入を積立に回せば、FIREや老後資金の目標に、ぐっと早く届く。年収が100万円上がり、手取りで70万円増えた分の半分、35万円を毎年積み立てれば、20年で元本だけで700万円だ。

年代別の稼ぎ方の戦略

独身男の年代別の稼ぎ方の戦略
年代戦略
20〜30代専門性を磨き、転職で年収を上げる。副業で技術の幅を広げる
40代転職の最後の大きなチャンス。管理職か専門職かの道を決める
50代前半転職で上げるなら今のうち。副業を、定年後の仕事の準備に育てる
50代後半〜賃金より働き方。定年後も続けられる仕事と副業を固める

50代後半からは、転職で賃金が下がる人の方が多くなる。だから、50代前半までに年収を上げ、その後は定年後の仕事を準備するのが基本の流れだ。副業で育てた技術と人脈が、定年後の仕事になる。

動ける独身と、動けない既婚

収入を上げに動ける独身の男

  • 全国の求人、転勤のある職場も選択肢に入る
  • 平日の夜と休日を、副業と学びに使える
  • 勝負の時期に、仕事に集中できる
  • 増えた収入の使い道を、自分で決められる

収入を上げに動けない既婚の男

  • 住宅ローンと子供の学校で、転職の範囲が狭い
  • 休日は家族サービスで、副業の時間がない
  • 年収が下がるリスクを、家族のために取れない
  • 増えた収入は、教育費に吸い込まれる

もちろん、家族の支えがあって仕事に打ち込めている既婚の男もいる。だが、転職も副業も、自分一人の判断で決めて動けるのは、独身の男の大きな強みだ。その強みを、収入を上げることに使え。

「独身は気楽でいいね、守るものがなくて」と言う奴へ

守るものがないから、攻められる。俺は転職で年収を上げ、副業で技術を磨き、増えた分を積み立てている。お前は「家族がいるから冒険できない」と言うが、それは家族のせいか? 動かない理由を家族に預けているだけじゃないのか。

まとめ:収入には、上限がない

資産を増やすいちばんの近道は、収入を上げることだ。厚生労働省の雇用動向調査(令和6年)では、転職で賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%で、1割以上増加した人は29.4%だった。40代でも増加は45%台だが、55歳を過ぎると減少した人の方が多くなる。副業がある人は305万人で、5年で60万人増えた。

年収を上げる道は、転職・副業・社内昇進の3つ。どの道も、土台は専門性だ。独身の男は、勤務地の制約が少なく、平日の夜と休日を副業と学びに使え、勝負の時期に仕事に集中できる。増えた収入の半分は積み立てに回し、副業の就業規則、確定申告、健康、怪しい勧誘には気をつけろ。制度や税金の扱いは変わるので、最新の情報を確認してほしい。

守るものがないなら、攻めろ。末代で何が悪い。

よくある質問

転職すると年収は上がる?

上がる人の方が多い。厚生労働省の雇用動向調査(令和6年)では、転職入職者のうち、前職と比べて賃金が「増加」した人は40.5%、「減少」した人は29.4%、「変わらない」人は28.4%だった。「1割以上の増加」は29.4%だ。

40代・50代の転職で年収は上がる?

40代はまだ上がる人が多い。同じ調査で、賃金が増加した人は40〜44歳で45.9%、45〜49歳で46.4%、50〜54歳で39.0%だった。55〜59歳になると27.4%に下がり、減少した人(36.6%)の方が多くなる。

独身男性に副業は向いている?

向いている。家族の予定に縛られず、平日の夜や休日を副業に使える。総務省の就業構造基本調査(2022年)では、副業がある非農林業従事者は305万人で、5年前より60万人増えた。勤め先の就業規則で副業が認められているかは、事前に確認が必要だ。

副業で気をつけることは?

勤め先の就業規則、本業との時間の兼ね合いと健康、そして税金だ。会社員の場合、副業の所得が年20万円を超えると、原則として確定申告が必要になる。高額な情報商材や「誰でも稼げる」副業の勧誘にも注意したい。

年収を上げるいちばんの方法は?

人によるが、今の職場で評価が上がる見込みが低いなら転職、今の仕事の経験を生かせるなら副業、昇進の道が開けているなら社内での昇進が近道だ。どの道も、市場で評価される専門性を磨くことが土台になる。

出典・参考資料

  1. 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(転職入職者の賃金変動状況)
  2. 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」(副業がある者、追加就業希望者)
  3. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
  4. 国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」