結婚・恋愛コスパ論 / COST

結婚相談所の費用は男にとって割に合うのか。成婚料まで含めた総額を検証

約76万円仲人型の結婚相談所に2年在籍して成婚した場合の総額(モデル)
8日契約書面を受け取ってからクーリング・オフできる期間
454.3万円成婚した先に待つ、結婚式から新婚旅行までの平均総額

「アプリはもう疲れた。本気で結婚したいなら相談所だよ」。友人の勧めで、駅前のビルにある結婚相談所の無料カウンセリングに行く。担当者は笑顔で言う。「成婚率は業界トップクラスです」「今月入会なら入会金が半額です」。気づけば、数十万円の契約書にサインしている。

1年後。お見合いは月に1〜2件、交際に進んでもすぐに終了。毎月の会費は口座から確実に引き落とされ、お見合いのお茶代は毎回自分が払う。担当者は言う。「もう少し条件を広げてみましょう」。条件を広げても、会費は広がらない。むしろ在籍が延びるほど、相談所の売上が伸びる。

この記事では、結婚相談所の費用の仕組みを分解し、タイプ別に成婚料まで含めた総額をモデルで試算する。成婚率の数字のからくり、解約のルール、そして成婚した先に待つコストまで並べて、男にとって割に合うのかを検証する。契約書にサインする前に、電卓を叩け。

この記事の結論

  1. 費用は「入会金・初期費用」「月会費」「お見合い料」「成婚料」の4つ
  2. 仲人型に2年在籍して成婚すれば、モデルで総額約76万円
  3. 成婚率は計算方法がバラバラ。「成婚」は結婚ではなく婚約や真剣交際のこと
  4. 契約後8日以内はクーリング・オフ可能。中途解約の解約料にも上限がある
  5. 成婚しても、その先に結婚式平均454.3万円と子育てのコストが待っている

結婚相談所の費用は、4つの柱でできている

結婚相談所の料金は、相談所ごとに名前や細かい項目は違っても、大きく次の4つに分けられる。

結婚相談所の費用の4つの柱
費用内容払うタイミング
入会金・初期費用入会金、登録料、活動サポート費、プロフィール作成費など入会時に一括
月会費紹介や検索、カウンセラーのサポートの利用料在籍中、毎月
お見合い料お見合いが成立するたびにかかる料金。無料の相談所もあるお見合いのたび
成婚料婚約などの「成婚」で退会するときの料金。ない相談所もある成婚退会時

このうち、総額を最も左右するのは月会費と在籍期間だ。入会金や成婚料は一度きりだが、月会費は在籍している限り毎月かかる。そして、在籍期間は自分ではコントロールしにくい。相手に選ばれるかどうかで決まるからだ。年収や年齢の条件で選ばれにくい男ほど在籍は長くなり、払う総額も増える。不利な男ほど高くつくのが、結婚相談所の料金の仕組みだ。

3つのタイプと、料金の目安

結婚相談所は、サポートの手厚さによって大きく3つのタイプに分かれる。料金の目安は次のとおりだ(各社の料金は変わるので、実際には公式情報で確認してほしい)。

結婚相談所のタイプ別・料金の目安
タイプ特徴入会金・初期費用月会費成婚料
仲人型担当の仲人がお見合いの調整や交際の相談に乗る。連盟に加盟する相談所が多い5〜15万円前後1〜2万円前後10〜30万円前後
データマッチング型会員データから条件で検索・紹介。大手に多い10万円前後1〜2万円前後なし〜数万円
オンライン型店舗を持たず、アプリやオンラインで活動。サポートは最小限数万円前後1万円前後なし〜数万円

サポートが手厚いほど高く、安いほどサポートは薄い。どのタイプでも、月1〜2万円の会費が在籍している限り続くのは共通だ。

モデル試算:1年と2年の総額

では、タイプ別に1年と2年在籍した場合の総額を計算してみよう。前提は次のとおりだ。

  • 仲人型:初期費用10万円、月会費1.5万円、お見合い料5,000円×年10回、成婚料20万円
  • データマッチング型:初期費用10万円、月会費1.6万円、お見合い料なし、成婚料なし
  • オンライン型:初期費用3万円、月会費1万円、お見合い料なし、成婚料なし
  • いずれも、最終月に成婚して退会したとする

結婚相談所の総額(モデル・成婚退会の場合)

Fig. 01
東京ソロ充男子のモデル試算。料金はタイプごとの一般的な水準をもとに設定した仮定の数字で、特定の事業者の料金ではない。デート代やお見合いのお茶代は含まない
仲人型・2年在籍の総額の内訳(モデル)
項目金額
初期費用10万円
月会費(1.5万円×24か月)36万円
お見合い料(5,000円×20回)10万円
成婚料20万円
合計76万円

仲人型に2年在籍して成婚すれば、約76万円。成婚できずに2年で退会しても、成婚料を除いた約56万円は戻ってこない。そしてこの数字には、お見合いのお茶代とデート代が入っていない。

見落としがちな費用:お茶代とデート代

結婚相談所の料金表に載らない費用もある。

  • お見合いのお茶代:ホテルのラウンジなどで行うお見合いのお茶代は、男性が払うルールの相談所や連盟が多い。1回2,000〜3,000円でも、年20回なら数万円だ
  • 交際中のデート代:仮交際、真剣交際と進むほどデートの回数が増える。食事代の多くを男性が負担することを期待される
  • プロフィール写真:写真館での撮影に1〜3万円
  • 服と身だしなみ:お見合い用のスーツ、美容院

これらを加えると、仲人型で2年活動した男の出費は、100万円に届くこともある。料金表の数字は、男が払う金の一部でしかない。

「結婚への投資だと思えば安い」と言う担当者へ

投資なら、リターンの見込みを数字で出してくれ。成婚できる確率は? 成婚後の結婚生活で、払った分を回収できる根拠は? 回収どころか、成婚した瞬間から結婚式と新居と子育ての請求書が待ってるんだろ。それを投資とは呼ばない。

活動の流れと、かかる時間

結婚相談所での活動は、おおむね次の流れで進む。各段階で、金だけでなく時間もかかる。

結婚相談所の活動の流れ(一般的な例)
段階内容男がやること・払うもの
入会カウンセリング、書類提出、プロフィール作成独身証明書、収入証明書、写真撮影。初期費用
お見合い申し込み、成立、ホテルのラウンジなどで1時間程度会うお見合い料、お茶代。断られることも多い
仮交際複数の相手と並行して食事やデートを重ねるデート代、連絡のやり取り、週末の時間
真剣交際一人に絞って結婚を前提に交際するデート代、相手の家族への挨拶の準備
成婚退会プロポーズ、婚約成婚料、婚約指輪

注目すべきは、入会時に収入証明書を出すことだ。結婚相談所では、年収が書類で裏付けられた数字としてプロフィールに載る。マッチングアプリ以上に、年収で選別される場だということだ。そして仮交際の段階では、複数の相手と同時に会い、週末が次々と埋まっていく。

勧誘トークの読み解き方

無料カウンセリングでよく聞く言葉を、男の財布の目線で読み解いておく。

よくある勧誘トークと、その裏側
勧誘トーク裏側
今月入会なら入会金が半額ですキャンペーンは頻繁にある。焦って契約する必要はない。8日以内ならクーリング・オフもできる
成婚率は業界トップクラスです分母と成婚の定義を聞くまで、意味のない数字だ
あなたなら1年以内に成婚できます根拠は示されない。在籍が延びても、会費は返ってこない
結婚は人生最大の投資です投資ならリターンの見込みを数字で示せるはずだ
条件を少し広げてみましょう条件を広げても月会費は下がらない。在籍が延びるほど相談所の売上は増える

担当者は親身に話を聞いてくれるだろう。だが、相談所は会員の会費で成り立つ商売だということは忘れるな。親身さと売上は、矛盾しない。

成婚率の数字の、からくり

結婚相談所の広告には、「成婚率50%」「業界トップクラスの成婚率」といった数字が並ぶ。だが、この数字をそのまま信じるのは危険だ。

成婚率の計算方法の違い
計算方法計算式数字の出方
退会者ベース成婚退会者数÷退会者数高く出やすい。成婚せずに在籍し続ける会員は分母に入らない
在籍会員ベース成婚者数÷在籍会員数(年間)低く出やすい。実態に近い

同じ相談所でも、どちらの計算方法を使うかで、成婚率の数字は大きく変わる。さらに、「成婚」の定義にも注意が必要だ。多くの相談所で「成婚」とは、婚約や、結婚を前提とした真剣交際に進んで退会することを指す。実際に結婚したかどうかとは別の話だ。

広告の成婚率を見たら、まず「何を分母にした数字か」「成婚の定義は何か」を確認しろ。答えを濁す相談所とは、契約する必要はない。

クーリング・オフと、中途解約のルール

結婚相談所の契約には、消費者を守るルールがある。契約期間が2か月を超え、金額が5万円を超える結婚相手紹介サービスは、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たる。

結婚相手紹介サービスの契約ルール(特定商取引法)
ルール内容
クーリング・オフ法律で定められた契約書面を受け取ってから8日以内なら、理由を問わず無条件で解約できる
中途解約クーリング・オフ期間を過ぎても、契約期間中ならいつでも解約できる
解約料の上限(サービス開始前)3万円
解約料の上限(サービス開始後)提供済みのサービスの対価に、2万円か契約残額の2割のいずれか低い額を加えた額

「今月入会なら割引」と急かされて契約しても、8日以内なら取り消せる。そして途中でやめたくなったら、法律の上限を超える解約料を払う必要はない。やめる権利は、法律が保証している。

成婚した先に、かかる金

仮に結婚相談所で成婚できたとしよう。そこで終わりではない。むしろ、そこからが本番だ。

成婚した先に待っている費用
項目金額の目安
結納・婚約から新婚旅行までの総額平均454.3万円
子供1人の養育費と教育費(公立中心)約2,500万円
年収600万円・子2人で65歳までに結婚で消える金約7,900万円(モデル)

結婚相談所の76万円は、結婚という巨大な出費の入場料にすぎない。入場料を払ってでも入りたい場所なのかを、先に考えるべきだ。

同じ金を、自分に使ったら

仲人型に2年在籍する約76万円を、独身の男が自分のために使ったらどうなるか。

約76万円の使い道(例)

Fig. 02
運用は一括で入れて年4%の複利で20年置いた単純計算(税引前)

新NISAに一括で入れて年4%で20年運用すれば、約167万円になる計算だ。あるいは、1回25万円の海外一人旅に3回行ける。結婚相談所に払う金は、成婚しなければ消え、成婚すればさらに大きな出費の入口になる。自分に使う金は、資産か経験になって残る。

それでも相談所を使うなら

それでも結婚したいという男もいるだろう。止めはしない。ただし、最低限これだけは守れ。

  1. 総額を先に計算する入会金、月会費、お見合い料、成婚料を足し、1年と2年の総額を出してから契約する。
  2. 成婚率の計算方法を聞く分母は何か、成婚の定義は何かを確認する。答えられない相談所は避ける。
  3. 在籍期間の上限を自分で決める「1年で結果が出なければやめる」と最初に決めておく。延長はサンクコストの罠だ。
  4. 契約書面を確認するクーリング・オフと中途解約の記載を確かめる。急かされても、その場でサインしない。

相談所に行かないという選択

結婚相談所が割に合うかどうかは、結婚そのものが割に合うかどうかで決まる。結婚にかかる金、時間、自由、離婚のリスクを並べて、それでも結婚に価値があると思うなら、相談所の費用は入場料として払えばいい。

だが、結婚が割に合わないと判断するなら、相談所の費用もまた割に合わない。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査(2025年)では、18〜34歳の未婚男性の24.0%が「一生結婚するつもりはない」と答えている。相談所の門をくぐらない男は、もう珍しくない。

まとめ:契約書にサインする前に、電卓を叩け

結婚相談所の費用は、入会金・初期費用、月会費、お見合い料、成婚料の4つ。モデルでは、仲人型に1年在籍して成婚すると約53万円、2年なら約76万円。料金表に載らないお茶代やデート代を含めれば、100万円に届くこともある。

成婚率の数字は計算方法がバラバラで、「成婚」は結婚ではなく婚約や真剣交際のことだ。契約しても8日以内ならクーリング・オフでき、中途解約の解約料にも上限がある。そして成婚した先には、平均454.3万円の結婚式と、子育ての数千万円が待っている。

相談所に払うはずだった金は、自分の資産と経験に回せる。末代で何が悪い。

よくある質問

結婚相談所の費用の相場はいくらですか?

相談所のタイプによって大きく違う。仲人型(連盟加盟の相談所など)は入会金・登録料が5〜15万円前後、月会費1〜2万円前後、成婚料10〜30万円前後が目安だ。この記事のモデルでは、仲人型に1年在籍して成婚すると約53万円、2年なら約76万円になる。実際の料金は各社の公式情報で確認してほしい。

成婚料とは何ですか?

結婚相談所で相手が見つかり、婚約などの「成婚」の状態になって退会するときに払う料金だ。相談所によっては成婚料がない代わりに、入会金や月会費が高めに設定されていることもある。何をもって成婚とするかの定義も相談所ごとに違う。

結婚相談所の成婚率は信用できますか?

数字だけで比べるのは危険だ。成婚率の計算方法は相談所ごとに異なり、退会者に占める成婚退会者の割合を使う場合と、在籍会員全体に占める割合を使う場合とで、数字は大きく変わる。また「成婚」は婚約や真剣交際での退会を指すことが多く、実際に結婚したかどうかとは別だ。

結婚相談所は途中で解約できますか?

できる。契約期間が2か月を超え、金額が5万円を超える結婚相手紹介サービスは、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たり、契約書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフができる。それを過ぎても中途解約はでき、解約料には法律で上限が定められている。

結婚相談所は男にとって割に合いますか?

金額だけで見れば、成婚できなければ数十万円が消えるだけで、成婚できてもその先に結婚式や子育てなどのコストが続く。結婚そのものが割に合うと考えないなら、相談所の費用も割に合わない。結婚を前提にしない人生を選べば、その費用は丸ごと自分のために使える。

出典・参考資料

  1. 消費者庁「特定商取引法ガイド」(特定継続的役務提供・結婚相手紹介サービス)
  2. 大阪府「結婚相手紹介サービスの中途解約」(消費生活相談のQ&A)
  3. 国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査 結果の概要」(2026年9月)
  4. リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」
  5. 文部科学省「子供の学習費調査」、AIU保険「現代子育て経済考」