結婚・恋愛コスパ論 / COST

恋愛がめんどくさい男は正しい。恋愛にかかる時間・金・リスクの棚卸し

35.7%交際相手がおらず、交際も望まない18〜34歳の未婚男性(2025年)
約600時間/年恋人がいる男が恋愛に使う時間(モデル)
約59万円/年恋人がいる男が恋愛に使う金(モデル)

金曜の夜、スマホが鳴る。「明日どこ行く?」。行き先を考え、店を調べ、予約を取る。土曜は昼から夜まで相手のペースに合わせ、帰りの電車で「今日楽しかった?」と聞かれて「楽しかったよ」と答える。日曜の朝には「昨日のあの言い方、ちょっと気になった」というメッセージ。月曜、仕事に行く方が楽だと思う。

恋愛がめんどくさい。そう感じる自分は、どこか欠けているんじゃないか。そう思っている男がいたら、言ってやる。お前は欠けていない。計算ができているだけだ。恋愛には、膨大な時間と金と気遣いがかかる。それを「愛があれば苦にならない」と言い張る奴は、休日にひたすら嫁の実家の草むしりをしている自分を、まだ愛のせいだと思っている。

この記事では、恋愛の手間を10項目に分けて、時間・金・リスクで棚卸しする。最新の国の調査で、恋愛を望まない男がどれだけいるかも確認する。自分のめんどくささを測る診断チェックもつけた。めんどくさいは、正しい判断だ。

この記事の結論

  1. 18〜34歳の未婚男性の35.7%は、交際相手がおらず交際も望まない
  2. 恋愛の手間は、連絡・デート・記念日・機嫌取りなど10項目に分けられる
  3. 棚卸しすると、恋人がいる男は年約600時間と約59万円を恋愛に使う
  4. 見えないコストは、気遣いの消耗と、別れや法的なトラブルのリスク
  5. めんどくさいと感じるのは、コストを正確に見積もれている証拠だ

データ:恋愛を望まない男は、3人に1人以上

国立社会保障・人口問題研究所の「第17回出生動向基本調査」(2025年実施)で、18〜34歳の未婚男性の交際の状況を見てみよう。

18〜34歳の未婚男性の交際の状況

Fig. 01
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査 結果の概要」図表2-2、図表2-3。交際経験は「恋人として交際」した経験

交際相手がおらず、交際も望んでいない未婚男性は35.7%。前回2021年の33.5%から増えた。異性と恋人として交際した経験がない未婚男性も、37.7%から42.3%に増えている。恋愛しない男は、もう少数派ではない。

なぜ恋愛を望まないのか。その答えは、恋愛にかかるコストを一つずつ書き出してみれば見えてくる。

恋愛の手間、10項目の棚卸し

恋人がいる男が、日々こなしている恋愛の手間を10項目に分けて書き出した。毎週末デートする、ごく普通の交際を想定している。

恋愛の手間の棚卸し(モデル・年間)
No.手間時間金めんどくささの中身
1連絡のやり取り約180時間—1日30分。返信が遅いと不機嫌になる
2デート本番約310時間約31万円毎週6時間。行き先も時間も相手と調整
3デートの計画約50時間—店探し、予約、ルート。週1時間
4誕生日・記念日・クリスマス約15時間約8万円プレゼント選びとサプライズの演出
5旅行(デートに含む)約12万円年2回。行き先は相手の希望が優先
6身だしなみの維持約20時間約5万円服、美容院、デート用の小物
7機嫌への気遣い測定不能—言葉選び、空気を読む、不機嫌の理由を探る
8嫉妬・束縛への対応測定不能—飲み会の報告、異性の連絡先、SNSの監視
9相手の友人・家族とのつきあい約25時間約3万円友人の集まり、親への挨拶、手土産
10けんか・話し合い・別れ話測定不能—数日から数か月、心を持っていかれる
合計(測定できる分)約600時間約59万円—

測定できる分だけで、年約600時間と約59万円。そしてこの表で一番重いのは、「測定不能」と書いた三つの項目だ。時間でも金でも測れない気遣いと消耗が、恋愛のめんどくささの本体だ。

恋愛に使う時間の内訳(モデル・年間)

Fig. 02
東京ソロ充男子のモデル試算。毎週末1回6時間のデート、1日30分の連絡を想定。測定できない気遣いや話し合いの時間は含まない

年600時間は、1日8時間労働に換算すると75日分。会社の年間休日がおよそ120日だとすれば、その半分以上を恋愛のために使っている計算になる。しかもこれは、うまくいっている交際の数字だ。けんかや別れ話で眠れない夜、仕事が手につかない日は、この表のどこにも入っていない。恋愛の本当のコストは、いつも見積もりより高くつく。

めんどくささ①:連絡は、終わらない仕事だ

恋愛のめんどくささの筆頭は、連絡だ。朝の「おはよう」、昼の「何食べた?」、夜の「今日どうだった?」。1日30分でも、年間で180時間。しかも、この仕事には締め切りがある。返信が遅れれば「冷めたの?」と聞かれ、既読のまま放置すれば問題になる。

仕事中も、趣味に没頭しているときも、スマホの通知が頭の片隅に残る。一人の時間に、常に他人が割り込んでくる。それが恋人がいる状態だ。独身なら、スマホの通知を全部切って、サウナで2時間、何も考えずにいられる。

めんどくささ②:デートは、相手の満足度を上げる接客だ

デートは楽しいもの、と思われている。だが実際には、相手の満足度を上げるための接客に近い。

  • 行き先選び:自分が行きたい店ではなく、相手が喜びそうな店を探す
  • 予約と段取り:混雑、雨の日の代案、帰りの時間。すべて自分が段取りする
  • 当日の対応:歩くペース、休憩のタイミング、写真撮影。相手の様子を見ながら調整する
  • 会計:多めに払うか、割り勘にするか。どちらを選んでも気を遣う

一人で行けば30分で済む店に、2時間並ぶこともある。同じ6時間でも、一人で過ごす6時間とは、満足度がまるで違う。

「デートの計画も楽しみのうち」と言う奴へ

そうか。じゃあ毎週、相手の機嫌と天気と混雑を読みながら、店を3つ予約しておいて、当日の気分で1つ選ばれるのを楽しみに待っていてくれ。俺はその間、行きたかった店のカウンターで、一人で飯を食ってる。

めんどくささ③:機嫌と嫉妬への気遣い

恋愛で最も消耗するのは、感情の管理だ。

  • 機嫌:なぜか不機嫌な相手に「どうしたの?」と聞き、「別に」と返され、理由を探り続ける
  • 嫉妬:職場の飲み会、異性の同僚、昔の友人。いちいち報告と説明が必要になる
  • 束縛:休日の予定、SNSの「いいね」、スマホの中身。自分の行動に他人の許可が要る
  • 期待:「普通は〜してくれる」という相手の基準に、自分を合わせ続ける

これらは時間でも金でも測れない。だが、仕事のストレスよりも、恋人とのすれ違いの方が心を削ると感じる男は多いはずだ。仕事なら定時で終わるが、恋愛には定時がない。

めんどくささ④:金は、出ていくだけだ

恋愛にかかる金は、デート代、プレゼント、旅行、身だしなみを合わせて、モデルで年約59万円。10年続ければ約590万円だ。新NISAで毎月約5万円を積み立てられる金額に相当する。

年59万円を自分に使うと

  • 新NISAに毎月約5万円
  • または、海外一人旅を年2回
  • または、高級サウナに毎週通う
  • どれも、使い道を自分で決められる

年59万円を恋愛に使うと

  • デート代とプレゼントと旅行で消える
  • 行き先も買う物も、相手の好みが基準
  • 別れれば、何も残らない
  • 次の恋愛で、また同じ金がかかる

めんどくささ⑤:別れと、トラブルのリスク

恋愛には、終わりのリスクもつきまとう。

  • 別れ話:数週間から数か月、話し合いと気まずさが続く。仕事にも響く
  • 共通の人間関係:同じ職場や友人グループなら、別れた後も顔を合わせ続ける
  • 金銭のトラブル:貸した金、共有で買った物、同棲の解消
  • 法的なリスク:2023年の刑法改正で不同意性交等罪が新設され、相手の同意を確かめる責任がより明確になった。関係がこじれたときに、認識の違いが深刻な争いになることもある

恋愛は、始めるのにも、続けるのにも、終わらせるのにもコストがかかる。そして終わり方は、自分だけでは選べない。

診断:お前の恋愛めんどくささ度

当てはまるものにチェックしてくれ。時間・金・心の3分野で、お前が恋愛のどこにコストを感じているかがわかる。

恋愛めんどくささ診断 当てはまるものにチェック。時間4項目+金3項目+心5項目
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めんどくさいと感じるのは、正しい

恋愛をめんどくさいと感じるのは、怠けているからでも、人間として未熟だからでもない。恋愛のコストに対して、得られるものが見合わないと、正確に判断できているからだ。

昔は、恋愛のコストを払ってでも得たいものがあった。結婚しなければ生活が回らず、娯楽は少なく、一人でいることは世間体が悪かった。今は違う。一人で生きるインフラはそろい、娯楽は無限にあり、単身世帯は東京で半数を超えた。恋愛のリターンが下がり、コストはそのまま残った。めんどくさいと感じる男が増えるのは当然だ。

ビジネスで考えればわかりやすい。売上が下がったのに固定費が変わらない事業から撤退するのは、経営者として当たり前の判断だ。恋愛という事業の採算が合わなくなったなら、撤退すればいい。誰に責められる筋合いもない。

恋愛しない男への、世間の声に答える

恋愛をしないと決めた男には、周りからいろいろな声が飛んでくる。よくあるものに、まとめて答えておく。

よくある声と、その答え
世間の声答え
恋愛しないと人として成長できない人間関係の経験は、仕事でも趣味の仲間でも積める。恋愛だけが成長の場ではない
若いうちに恋愛しないと後悔する後悔するかどうかは自分が決める。恋愛に使わなかった時間で手に入れたものの方が、後悔の種より大きい
恋愛は楽しいものだ楽しい瞬間はある。だが、その裏の手間と気遣いと金を含めて、割に合うかは別の話だ
一人で寂しくないのか未婚男性の60.3%は、一人の生活を続けても寂しくないと答えている(2025年)
結局モテないだけだろう交際を望まない未婚男性は35.7%。モテるかどうか以前に、望んでいない男が多い

大事なのは、言い訳をしないことだ。恋愛しないのは、できないからではなく、しないと決めたから。自分の時間と金の使い道を、自分で決めただけのことだ。

そして、恋愛しない男は人づきあいを避ける男ではない。趣味の仲間と飲み、行きつけの店で店主と話し、友人と旅行に行く。恋愛というパッケージを外しても、人とのつながりは十分に持てる。違うのは、そのつながりに束縛も、記念日も、別れ話もないことだ。

浮いた600時間と59万円の使い道

恋愛をやめた男には、年約600時間と、数十万円が残る。その使い道の例を挙げておく。

  1. 資格を取る中級の国家資格なら、勉強時間は300時間前後が目安。年に2つ狙える。
  2. 体を作る週3回のジムでも年150時間。体は一生の資産だ。
  3. ソロ活を極める一人焼肉、サウナ、一人旅、ソロキャンプ。行き先も時間も自分で決める楽しさを味わえ。
  4. 資産を積み上げる年59万円を新NISAに入れ、年4%で20年運用すれば、運用益を含めて約1,750万円になる計算だ。

恋愛に使った600時間は、別れれば何も残らない。自分に使った600時間は、資格と体と資産になって、一生残る。

まとめ:めんどくさいは、正しい判断だ

第17回出生動向基本調査(2025年)では、18〜34歳の未婚男性の35.7%が交際相手がおらず交際も望まず、異性との交際経験がない男性も42.3%に増えた。恋愛を望まない男は、もう少数派ではない。

恋愛の手間を棚卸しすると、連絡、デート、記念日、機嫌取り、嫉妬、家族づきあい、別れ話。測定できる分だけで年約600時間と約59万円。そして測定できない気遣いと消耗こそが、恋愛のめんどくささの本体だ。

めんどくさいと感じるのは、コストを正確に見積もれている証拠だ。末代で何が悪い。浮いた時間と金を、全部自分の人生に注ぎ込め。

よくある質問

恋愛がめんどくさいと感じるのはおかしいですか?

おかしくない。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査(2025年)では、18〜34歳の未婚男性の35.7%が、交際相手がおらず交際も望んでいないと答えている。恋愛には時間・金・気遣いのコストがかかり、それを負担に感じるのは自然なことだ。

恋愛のどこがめんどくさいのですか?

連絡の頻度や返信の速さ、デートの計画、誕生日や記念日、相手の機嫌への気遣い、嫉妬や束縛、相手の友人や家族とのつきあい、別れ話などが挙げられる。この記事のモデルでは、恋人がいる男が恋愛に使う時間は年約600時間、金は年約59万円になる。

恋愛しないと人として成長できないのではないですか?

そうとは限らない。人間関係の経験は、仕事、趣味の仲間、友人づきあいでも積める。恋愛に使うはずだった時間を、資格や仕事のスキル、体づくりに回せば、別の形で確実に成長できる。

恋愛をやめると孤独になりませんか?

恋愛をやめることと、人間関係を断つことは違う。趣味の仲間や行きつけの店など、予定を合わせなくていいゆるいつながりを持っておけば、孤立は防げる。同じ調査で、一人の生活を続けても寂しくないと答えた未婚男性は60.3%だった。

恋愛がめんどくさい男はどう過ごせばいいですか?

浮いた時間と金を、自分のために使えばいい。一人で楽しめる趣味、ソロ活、資格の勉強、運動、資産形成。恋愛に年600時間と59万円を使う代わりに、それを一生残るものに投資できる。

出典・参考資料

  1. 国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査 結果の概要」(2026年9月)図表2-2、図表2-3、図表4-1
  2. 内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書」
  3. 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」
  4. 総務省統計局「令和2年国勢調査」