12月の終わり。職場では「年末年始はどうするの?」という会話が飛び交う。「実家に帰る」「嫁の実家に行かなきゃいけない」「子供を連れて渋滞の中を」。みんな、少し疲れた顔をしている。そしてお前は答える。「帰らない。東京でのんびりする」。
年末年始に帰省しない男の休みは、一年で一番静かで、一番自由な6日間だ。新幹線の混雑も、高速道路の渋滞も、親戚の「結婚はまだか」も、お年玉の出費もない。誰もいない東京で、好きなことだけをして過ごせる。
この記事では、帰省しない男の最高の年末年始の過ごし方をまとめた。帰省1回の費用の試算から、6日間のプラン、親への伝え方、寂しさ対策まで。既婚男性の年末年始は、自分の実家と嫁の実家の二か所を回る「義務の巡業」になりがちだ。お前の年末年始は、お前のものだ。
この記事の結論
- 官公庁の年末年始の休みは12月29日から1月3日の6日間。この6日間を全部自分のために使える
- 東京から地方への帰省は、1回で約6万円の出費になる試算だ
- 年末年始の都心は人が少ない。静かな東京を楽しめ
- 6日間にテーマを決めれば、だらだら過ごして終わることはない
- 親には早めに、時期をずらして帰る予定を添えて伝えろ
年末年始の6日間は、一年で一番自由な休みだ
国の行政機関の休日は、法律で12月29日から1月3日までと決められている。多くの会社も、これに近い日程で年末年始の休みを取る。カレンダーによっては、土日とつながって9連休になる年もある。
この休みは、ほかの連休とは性格が違う。お盆やゴールデンウィークは旅に出る人が多いが、年末年始は帰省と親戚づきあいの休みだ。多くの人にとって、自分のための休みではなく、家族のための休みになっている。だからこそ、帰省しない男にとっては、一年で一番自由な6日間になる。
帰省1回にかかるお金を計算してみた
東京から地方の実家に帰省すると、どれくらいの出費になるのか。新幹線で片道3時間ほどの地方に、2泊3日で帰省する場合を試算した。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 新幹線の往復(指定席、繁忙期) | 3万円 |
| 手土産(実家、親戚) | 5,000円 |
| お年玉(甥や姪が3人の場合) | 1.5万円 |
| 外食・親戚との集まりの会費 | 1万円 |
| 合計 | 約6万円 |
帰省1回の出費の内訳(試算)
Fig. 01約6万円。これに、混雑した新幹線の中で立ちっぱなしの数時間と、親戚から「結婚はまだか」と聞かれる精神的なコストが加わる。帰省しなければ、この6万円で都内の高級ホテルに1泊し、カウンター寿司を食べて、まだお釣りがくる。
もちろん、親に会うこと自体には価値がある。だが、年末年始という一番混んで一番高い時期に帰る必要はない。時期をずらせば、同じ帰省がずっと安く、ずっと楽になる。
年末年始の東京は、一年で一番静かだ
年末年始の東京は、普段とまったく違う顔を見せる。地方から来ている人が帰省し、オフィス街は人が消える。丸の内も大手町も、平日の朝の満員電車が嘘のように静かだ。
- 都心の散歩:人のいない丸の内、日本橋、皇居の周り。普段は人であふれる場所を、独り占めできる
- 空いた電車:年末年始の都内の電車は空いている。座って本を読みながら移動できる
- 店の初売りと福袋:興味があれば、元日や2日の初売りを冷やかすのも年末年始ならではの楽しみだ
帰省ラッシュの映像をテレビで眺めながら、静かな東京で一人、コーヒーを飲む。これほどの贅沢はない。普段は行列のできる店の前を素通りでき、いつもは満席の喫茶店の窓際に座れる。東京に住む独身の男だけが知っている、一年に一度の特別な街だ。
6日間の一人年末年始プラン
年末年始の失敗は、何も決めずにだらだら過ごして、気づいたら仕事始めになることだ。6日間に、大まかなテーマを決めておこう。
| 日 | テーマ | やること |
|---|---|---|
| 12月29日 | 片付け | 部屋の片付けと掃除。不要なものを捨て、年明けの部屋を整える |
| 12月30日 | 年越しの準備 | 食材の買い出し、年越しそばと好きなつまみの準備。夕方は銭湯 |
| 12月31日 | 振り返り | カフェで1年の振り返り。夜は年越しそばと一気見、深夜に初詣 |
| 1月1日 | のんびり | 昼まで寝る。空いた都心を散歩し、元日も開いているサウナへ |
| 1月2日 | 文化 | 年明けから開く博物館や映画館へ。帰りに初売りを冷やかす |
| 1月3日 | 助走 | 来年の目標を書き、ゲームか一気見の最終日。早めに寝る |
テーマがあれば、6日間のどの日も「今日は何をする日か」がはっきりする。そして、最終日は早めに寝て、仕事始めに疲れを残さない。休みの最後をいい形で締めると、6日間全体の記憶がよくなる。
一人の大晦日を、最高の夜にする
大晦日の夜は、一人の年末年始のハイライトだ。
- 昼は1年の振り返りカフェか家で、この1年に行った場所、読んだ本、始めたことを書き出す。ソロ活の記録を見返せば、すぐに書ける。
- 夕方は銭湯で1年の垢を落とす年末の銭湯は、一年の疲れを流す場所だ。年末年始の営業日は店によって違うので、事前に確認しておけ。
- 夜は年越しそばと好きなつまみ自分で茹でてもいいし、そば屋で食べてもいい。好きな酒を一本だけ開ける。
- 年越しは自分の好きな形で紅白歌合戦を観るもよし、映画を観るもよし、ゲームで年を越すもよし。誰のチャンネル権も気にしなくていい。
- 深夜の初詣に出る年が明けたら、近所の神社にふらっと出かける。大きな神社でなければ、深夜でもそれほど混まない。
空いた初詣の行き方
初詣は、三が日の昼間に有名な神社に行くと、何時間も並ぶことになる。一人なら、空いている時間と場所を選べばいい。
- 大晦日の深夜か元日の早朝:近所の小さな神社なら、深夜や早朝は人が少ない
- 三が日を外す:1月4日以降の平日なら、有名な神社もぐっと空く。初詣は松の内(地域によって1月7日や15日まで)に行けばいいとされることが多い
- 小さな神社を巡る:近所の神社をいくつか巡り、御朱印をいただくのも一人ならではの楽しみだ
一人なら、人混みに並ぶ必要も、誰かのペースに合わせる必要もない。静かな境内で、一人で一年の始まりを迎える。それが、一人の男の初詣だ。
年末年始に楽しめる場所
| 場所 | 楽しみ方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 銭湯・サウナ | 年末の銭湯、元日の朝湯 | 年末年始の営業日は店ごとに違う |
| 映画館 | 年末年始の話題作を、空いた時間帯に | 人気作は予約しておく |
| 博物館・美術館 | 東京国立博物館は年明けに「博物館に初もうで」の企画を行ってきた | 年末から元日は休館の館が多い |
| ホテル | 都内のホテルステイで年越し | 年末年始は料金が高い。早めの予約を |
| 都心の散歩 | 人のいない丸の内、皇居の周り | 店は閉まっていることが多い |
| 家 | 一気見、ゲーム合宿、読書、自炊 | 食材は30日までに買っておく |
年末年始は休みの施設も多いので、行く前に営業日を確認しておけ。そして、店が閉まる日に備えて、食材と飲み物は30日までに買っておくといい。
家で過ごす年末年始も、最高のソロ活だ
年末年始は、家にこもるソロ活にも最適な時期だ。
- ドラマの一気見:6日間あれば、長いシリーズも一気に観られる。ただし、夜更かしはほどほどに
- ゲーム合宿:積んでいたゲームを、年末年始で一本クリアする
- 読書:買ったまま読んでいなかった本を、年末年始で読み切る
- 自炊:おせちを全部作る必要はない。好きなものだけを作る「一人おせち」や、時間のかかる煮込み料理に挑戦する
家族がいれば、年末年始のリビングは親戚の集まりと子供のテレビで埋まる。一人の部屋は、6日間ずっと自分の城だ。好きな時間に起き、好きなものを食べ、好きなだけ夜更かしできる。
年末年始は、1年の振り返りと来年の目標を書く時間だ
年末年始の6日間で、一番価値のある時間は1年を振り返り、来年を決める時間かもしれない。普段は忙しくて立ち止まれないが、年末年始なら静かに考えられる。
- 今年やったことを書き出す行った場所、食べた名店、読んだ本、観た作品、始めた趣味。ソロ活の記録やスマホの写真を見返しながら書く。
- 今年の一番を決める一番よかった店、一番心が動いた旅、一番面白かった本。自分だけの年間ランキングを作るのも楽しい。
- お金を確認する貯蓄と積立が1年でどれだけ増えたか、ソロ活にいくら使ったかを確認する。
- 来年やりたいことを3つ決める行きたい場所、始めたい趣味、整えたい体。3つに絞って、手帳の最初のページに書く。
帰省して親戚の相手をしていれば、この時間はまず取れない。静かな東京で一人、自分の1年と向き合う。それが、帰省しない男の年末年始の一番の贅沢だ。
都内のホテルで年を越すという選択
家で過ごすのもいいが、都内のホテルで年を越すのも、一人の年末年始の特別な楽しみ方だ。年末年始のホテルは料金が高くなるが、帰省1回分の出費があれば、いいホテルに1泊できる。
大晦日の夜にチェックインし、ホテルのバーで一杯飲んで、部屋の窓から東京の夜景を眺めながら年を越す。元日の朝は、ホテルの朝食をゆっくり食べて、空いた都心を散歩して帰る。年の始まりを、自分へのご褒美で迎える。家族連れでにぎわうホテルでも、一人なら静かな一角で、自分のペースで過ごせる。
帰省しないことを、親にどう伝えるか
帰省しない年末年始の唯一の壁が、親だ。伝え方のコツは、早めに、短く、前向きに。
- 12月の初めには伝える直前に言うと、親は準備をしていて落胆する。早めに伝えれば、親も予定を立てられる。
- 時期をずらして帰る予定を添える「年末年始は混むから、1月の連休に帰るよ」。帰らないのではなく、時期を変えるだけだと伝える。
- 元日に電話かビデオ通話をする顔を見せて新年の挨拶をすれば、親も安心する。
- 贈り物を送る年末に、実家に好物や名産品を送る。帰省の交通費の一部を、親へのプレゼントに回せばいい。
時期をずらした帰省は、交通費も安く、親ともゆっくり話せる。混雑した年末年始に帰って、親戚の相手で親と話す時間もないより、ずっといい。
年末年始に帰省する場合と、しない場合の6日間の出費(試算)
Fig. 02年末年始の寂しさ対策
世の中が家族の行事で盛り上がる年末年始は、一人だと寂しさを感じやすい時期でもある。テレビは家族の団らんを映し、SNSには帰省した友人の写真が並ぶ。
寂しさを感じたら、つながりを少しだけ足せばいい。
- 元日に家族や友人に電話をする
- 年明けに行きつけの店の初営業に顔を出し、店主に新年の挨拶をする
- 同じように東京で過ごす友人がいれば、1日だけ飯に行く
- SNSは見すぎない。他人の家族写真と比べる必要はない
- 毎日一度は外に出て、日の光を浴びて歩く
内閣府の令和7年の調査では、気軽に話せる相手がいる人の孤独感は、いない人の10分の1だった。6日間ずっと誰とも話さないのではなく、1日に一言でも誰かと言葉を交わす。それだけで、一人の年末年始は寂しいものではなくなる。
既婚者の年末年始と比べてみろ
帰省しない独身の年末年始
- 静かな東京で、好きなことだけをする
- 大晦日は好きな番組と好きな酒で年を越す
- 初詣は空いた深夜か、松の内の平日に
- 6日間、誰の予定にも合わせない
既婚者の年末年始
- 自分の実家と嫁の実家の二か所を回る
- 渋滞の高速道路で、子供がぐずる
- 義理の親戚に気を遣い、甥や姪にお年玉を配る
- 仕事始めの方が、ほっとする
もちろん、家族と過ごす年末年始を楽しみにしている人もいるのだろう。だが、一年で一番長い休みを、全部自分のために使えるのは、帰省しない独身の男だけだ。
まとめ:年末年始は、一年で一番自由な6日間だ
官公庁の年末年始の休みは12月29日から1月3日の6日間。帰省しない男にとっては、一年で一番自由な休みだ。東京から地方への帰省は1回で約6万円の出費になる試算で、帰省しなければその金と時間を全部自分のために使える。
6日間に片付け・年越しの準備・振り返り・のんびり・文化・助走のテーマを決め、大晦日は銭湯と年越しそばと深夜の初詣で締める。親には早めに、時期をずらして帰る予定を添えて伝え、元日に電話で挨拶をすればいい。
静かな東京で、自分のための年を始めろ。末代で何が悪い。
よくある質問
年末年始を一人で過ごすのは寂しくないですか?
過ごし方次第だ。予定を何も決めずに家にこもると寂しさを感じやすいが、やりたいことを日ごとに決めておけば、静かで自由な最高の休みになる。寂しさが気になるなら、元日に家族や友人に電話する、行きつけの店の初営業に行くなど、少しだけつながりを足せばいい。
年末年始に帰省しないと親にどう伝えればいいですか?
早めに、短く、前向きに伝えるといい。「年末年始は混むので、1月の連休に帰るよ」のように、時期をずらして帰る予定を添えると、親も受け入れやすい。元日に電話やビデオ通話で挨拶をすれば、顔を見せる代わりにもなる。
年末年始の東京で一人で楽しめることは?
大晦日から元日の深夜の初詣、空いた都心の散歩、元日から営業する銭湯やサウナ、映画館、1月2日から開く博物館、ホテルステイ、配信ドラマの一気見、ゲーム合宿などがある。年末年始の都心は人が少なく、普段とは違う静かな東京を楽しめる。
年末年始に一人旅をするのはおすすめですか?
移動と宿が高く混む時期なので、無理に遠出するより、都内のホテルステイや近場の温泉の方が楽しめることが多い。旅に出るなら、早めに予約し、混雑のピークを外した日程にするといい。年明けの1月中旬以降に旅をずらすのも賢い選択だ。
年末年始の休みを有意義に過ごすコツは?
6日間の大まかなテーマを決めることだ。1日目は片付け、2日目は年越しの準備、3日目は初詣と散歩、4日目以降は趣味と一気見のように、日ごとにやることを決めておくと、だらだら過ごして終わることがない。1年の振り返りと来年の目標を書く時間も取りたい。
出典・参考資料
- 行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号)
- 東京国立博物館「博物館に初もうで」(同館の公式サイト)
- 内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント」