おひとりさま老後と終活 / LATER LIFE

おひとりさまの見守りサービス比較

7,148人死後1か月以上たって見つかった一人暮らしの人(2025年、推計)
6タイプ見守りサービスの種類
1日毎日応答する安否確認で、異変に気づくまでの目安

一人暮らしの部屋で、夜中に胸が苦しくなる。電話に手を伸ばす力もない。誰も、気づかない。翌日も、その翌日も。おひとりさまが最も恐れるのは、一人で倒れることそのものより、何日も誰にも気づかれないことだ。

家族のいる男は、「家族がいるから大丈夫」と考える。だが、妻が旅行中、子供は遠方、熟年離婚でワンルーム暮らし。家族がいても、倒れたその日に一人だった、ということはいくらでもある。

おひとりさまに必要なのは、異変に早く気づいてもらう仕組みだ。この記事では、見守りサービスを6つのタイプに分け、気づくまでの早さ、費用の目安、向いている人で比べた。そして、年代別の選び方と、見守りを本当に役立てるための注意点をまとめた。

この記事の結論

  1. 防ぐべきは、一人で倒れることより、何日も気づかれないこと
  2. 見守りは6タイプ。気づくまでの早さと費用と手間で選べ
  3. 現役世代はスマホの安否確認アプリ。60代以降は電気・ガスや訪問型を足せ
  4. 自治体の見守り事業も使える。地域包括支援センターに問い合わせろ
  5. 通知を受ける人と、部屋の鍵の扱いまで決めて、初めて見守りは役に立つ

何日も気づかれない死は、年に2万人を超える

内閣府の推計(警察庁のデータによる、報道による)では、2025年に自宅で亡くなった一人暮らしの人は7万6,941人。そのうち、死後8日以上たって見つかった人は2万2,222人、1か月以上たって見つかった人は7,148人とされる。

自宅で亡くなった一人暮らしの人と、発見までの日数(2025年)

Fig. 01
出典:内閣府 孤独・孤立対策推進室「令和7年の孤立死者数の推計について」(警察庁のデータによる。数値は報道による)。自殺を含む

死後8日以上で見つかった人のうち、男性は1万7,620人で約8割だ。一人で暮らす男が、何日も、何週間も、誰にも気づかれずにいる。倒れてすぐに気づかれれば助かった命もあったはずだ。そして、亡くなったとしても、早く見つかれば、部屋の後始末も、周りへの影響も、ずっと小さく済む。見守りサービスは、その「気づかれるまでの日数」を縮めるための道具だ。

見守りサービスの6つのタイプ

見守りサービスの6つのタイプ
タイプ仕組み気づくまでの早さ費用の目安(月額)手間
1. 安否確認アプリ毎日スマホで応答。応答がなければ登録者に通知1〜2日無料〜数百円程度毎日の応答が必要
2. 電気・ガス・水道の見守り使用量の異常(使われない・使い続ける)で通知半日〜2日数百円〜千円程度ほぼ何もしなくていい
3. センサー型室内の動きやドアの開閉、家電の使用を検知数時間〜1日数百円〜数千円程度(機器代別のことも)機器の設置が必要
4. 訪問・電話型事業者が定期的に訪問や電話で確かめる訪問・電話の間隔による(週〜月に1回など)数千円程度から訪問を受ける
5. 駆けつけ型緊急ボタンを押すと、警備員などが駆けつけるボタンを押せればすぐ数千円程度から(初期費用別のことも)機器の設置が必要
6. 自治体の見守り事業緊急通報装置の貸与、配食での安否確認、民生委員など事業の中身による無料〜低額(条件あり)申請が必要

費用は、事業者や契約の内容で大きく違う。上の金額は目安で、初期費用や機器代が別にかかるものもある。契約の前に、月額、初期費用、解約の条件を必ず確かめてほしい。

タイプ別・異変に気づくまでの日数の目安(最も遅い場合)

Fig. 02
編集部による目安。設定や事業者、通知を受けた人の動き方によって大きく変わる。駆けつけ型は本人がボタンを押せた場合にすぐ対応できるが、意識がないときは押せない

見守りがなければ、異変に気づくのは、郵便受けがあふれたとき、家賃が引き落とせなかったとき、においがしたときになる。それは、何日も、何週間も先だ。毎日の見守りがあれば、それが1〜2日に縮まる。

1. 安否確認アプリ:現役世代の第一歩

スマホの安否確認アプリは、現役世代のおひとりさまにいちばんすすめたい見守りだ。毎日決まった時間に通知が来て、ボタンを押して応答する。応答がなければ、登録した家族や友人に通知が行く。

  • 費用が安い:無料のものや、月数百円程度のものが多い
  • すぐに始められる:アプリを入れて、通知先を登録するだけ
  • 通知先を自分で選べる:友人、きょうだい、甥・姪

弱点は、毎日応答しなければならないことだ。忘れると、通知先に誤報が行く。逆に、旅行中などで応答を止めたまま忘れることもある。朝のコーヒーを淹れたら応答する、と習慣にしてしまえ。スマホを使い続けられるうちは、これがいちばん手軽で効果のある見守りだ。

2. 電気・ガス・水道の見守り:何もしなくていい

電気やガス、水道の使用量で異変を知らせる見守りもある。いつもなら朝に電気を使うのに使っていない、水道が一日中出しっぱなし。そういういつもと違う使い方を検知して、登録した人に知らせる。

  • 本人は何もしなくていい:毎日の応答の手間がない
  • 生活のリズムがそのまま見守りになる:自然に暮らしているだけでいい
  • 契約先によって中身が違う:電力会社、ガス会社、見守りの事業者

アプリの応答を忘れがちな人、60代以降でスマホの操作が面倒になってきた人に向いている。アプリと組み合わせれば、どちらかが異変を拾う二重の見守りになる。

3. センサー型:いちばん早く気づける

室内に人の動きを感知するセンサーや、トイレや冷蔵庫のドアの開閉を検知する機器を置き、一定時間動きがないと通知する見守りだ。異変に気づくまでの時間が短いのが強みだ。

  • 数時間で異変に気づけることがある
  • 機器の設置が必要:工事が要るもの、置くだけのものがある
  • カメラ型はプライバシーに注意:映像ではなく、動きだけを検知するものもある

持病がある人、一人暮らしが長くなった70代以降の人に向いている。賃貸なら、機器の設置について家主や管理会社に確かめておけ。

4. 訪問・電話型:人の声と目で確かめる

郵便局や警備会社、地域の事業者などが、定期的に訪問したり、電話をかけたりして様子を確かめる見守りだ。人が直接確かめるので、「最近元気がない」「部屋が荒れている」といった変化にも気づいてもらえる。

  • 人と話す機会になる:一人暮らしの話し相手にもなる
  • 訪問の間隔が長いと、気づくのが遅れる:月に1回なら、最長で1か月気づかれない
  • 費用は月数千円程度から:事業者と頻度で違う

訪問・電話型は、毎日の見守り(アプリや電気・ガス)と組み合わせるのがいい。毎日の機械の見守りで早く気づき、定期的な人の訪問で暮らしの変化に気づく。

5. 駆けつけ型:ボタン一つで助けが来る

部屋に緊急ボタンを置き、押すと警備員などが駆けつけるサービスだ。ペンダント型のボタンを身につけておけるものもある。急に体調が悪くなったとき、ボタンを押せれば、すぐに助けが来る。

弱点は、意識を失ったら押せないことだ。そのため、一定時間動きがないと自動で通報するセンサーと組み合わせたものもある。また、駆けつけた人が部屋に入るために、鍵を預ける必要があることが多い。持病があり、急な発作の心配がある人に向いている。

6. 自治体の見守り事業:まず問い合わせろ

多くの市区町村が、高齢者向けの見守り事業を行っている。

  • 緊急通報装置の貸与:ボタンを押すと、受信センターにつながる
  • 配食サービスを通じた安否確認:弁当を届けるときに様子を確かめる
  • 民生委員や地域ボランティアの見守り:定期的な訪問や声かけ
  • 事業者との見守り協定:新聞配達、宅配、電気・ガスの事業者などが、異変に気づいたら自治体に連絡する

対象の年齢、世帯の条件、費用は、自治体ごとに大きく違う。多くは65歳以上の一人暮らしなどが対象だ。住んでいる地域の地域包括支援センターか市区町村の高齢者福祉の窓口に、どんな見守り事業があるか問い合わせてみろ。無料や低額で使えるものも多い。

年代別の見守りの選び方

おひとりさまの年代別の見守りの組み合わせ
年代見守りの組み合わせ
30〜50代安否確認アプリ+友人との定期連絡
60代安否確認アプリ+電気・ガス・水道の見守り。持病があれば駆けつけ型
70代〜電気・ガスやセンサー型+訪問・電話型+自治体の見守り事業

基本は、毎日の見守りを一つ、必ず持つことだ。そして、年齢が上がるにつれて、機械の見守りと人の見守りを重ねていく。一つの見守りに頼りきると、その一つが止まったときに、誰も気づかない。

いちばん大事なのは、通知のあと誰が動くかだ

見守りサービスで見落とされがちなのが、異変に気づいたあと、誰が動くのかだ。通知が来ても、受け取る人がいなければ、何も起きない。

  1. 通知を受ける人を決める緊急連絡先と同じく、2〜3人。一人に頼りきらない。
  2. 通知を受けたら何をするかを決めておくまず電話、つながらなければ部屋へ、入れなければ管理会社か警察へ。
  3. 部屋の鍵の扱いを決める合い鍵を預けるか、管理会社に連絡してもらうか、駆けつけ型の事業者に預けるか。
  4. 誤報のときの約束応答を忘れただけのときに、相手を慌てさせない。返事が来たら「大丈夫」と返す習慣を。

通知を受ける人には、自分の住所、部屋の鍵の預け先、管理会社の連絡先、かかりつけ医を伝えておけ。見守りと緊急連絡先が一本の流れになって、初めて「何日も気づかれない」を防げる。

見守りは、部屋を借りるときの信用にもなる

高齢の単身者が部屋を借りにくい理由の一つは、家主が孤独死を心配することだ。見守りサービスを使っていると伝えれば、家主の不安は小さくなる。見守りは、自分の安心のためだけでなく、老後も部屋を借り続けるための信用にもなる。2025年10月に始まった居住サポート住宅のように、見守りが最初からついている住まいもある。

お金をかけない見守り:友人同士の約束

見守りは、サービスを買うだけではない。一人暮らしの友人同士で、お互いを見守る約束をするのも立派な見守りだ。

  • 毎朝、短いメッセージを送り合う:「おはよう」の一言でいい
  • 返事がなければ、昼に電話する:それでもつながらなければ、決めておいた手順で動く
  • 週に一度は声を聞く:文字だけでは、体調の変化がわかりにくい

費用はかからず、話し相手がいる安心も手に入る。サービスの見守りと友人の見守りを重ねれば、機械と人の両方の目で守られる。

見守りサービスを選ぶときに確かめること

  • 何を検知するのか:応答、使用量、動き、訪問
  • 異変のとき、誰に、どうやって知らせるのか:メール、電話、アプリの通知
  • 駆けつけはあるのか:事業者が来るのか、通知だけか
  • 費用:月額、初期費用、機器代、解約金
  • 工事や設置:賃貸で設置できるか
  • 停電や通信障害のときの扱い:機器が止まったらどうなるか

見守りを持つおひとりさまと、持たない男

見守りを持つおひとりさま

  • 毎朝アプリで応答し、電気の見守りも重ねている
  • 通知を受ける人を3人決め、鍵の扱いも決めた
  • 70代からは訪問と自治体の見守りを足す予定だ
  • 倒れても、1〜2日で気づいてもらえる

「家族がいるから」と見守りを持たない男

  • 妻が旅行中の夜に、一人で倒れる
  • 熟年離婚のあと、ワンルームで一人暮らし
  • 見守りも緊急連絡先も、何も用意していない
  • 気づくのは、郵便受けがあふれたとき

死後8日以上で見つかった一人暮らしの人の約8割は男性だ。その中には、かつて家族がいた男も多いはずだ。見守りは、一人で暮らすすべての男に必要な道具だ。おひとりさまは、それを最初から当たり前に用意できる。

「見守りなんて大げさだ」と言う奴へ

毎朝ボタンを一つ押すだけだ。それで、倒れても1〜2日で気づいてもらえる。大げさなのは、何の備えもないまま一人で暮らすことの方だ。死後1か月以上たって見つかる人が、年に7千人いる。その一人にならないための、月数百円の保険だ。

まとめ:毎日の見守りを、一つ必ず持て

2025年に自宅で亡くなった一人暮らしの人のうち、死後8日以上で見つかった人は2万2,222人、1か月以上で見つかった人は7,148人とされ、その約8割が男性だ。防ぐべきは、一人で倒れることより、何日も気づかれないことだ。

見守りサービスは、安否確認アプリ、電気・ガス・水道の見守り、センサー型、訪問・電話型、駆けつけ型、自治体の見守り事業の6タイプがある。現役世代はアプリから始め、60代以降は電気・ガスや訪問型、自治体の事業を重ねていけ。そして、通知を受ける人と、通知のあとの動き方、部屋の鍵の扱いまで決めておけ。サービスの内容と費用は事業者と自治体ごとに違うので、契約や申請の前に必ず確認してほしい。

毎日の見守りを、一つ必ず持て。末代で何が悪い。

よくある質問

見守りサービスにはどんな種類がある?

毎日スマホやボタンで応答する安否確認型、電気・ガス・水道の使用量で異変を知らせる型、室内のセンサーで動きを見守る型、郵便局や事業者が訪問や電話で確かめる型、緊急時に警備員が駆けつける型、そして自治体の見守り事業などがある。

一人暮らしの現役世代におすすめの見守りは?

スマホの安否確認アプリだ。費用が安く、毎日応答するだけで、応答がなければ登録した家族や友人に通知が行く。異変に1〜2日で気づいてもらえる。

見守りサービスの費用はどれくらい?

種類と事業者によって違う。アプリは無料から月数百円程度、電気・ガスの見守りやセンサー型は月数百円から数千円程度、訪問型や駆けつけ型は月数千円程度からが目安とされる。初期費用がかかるものもあるので、契約前に確かめてほしい。

自治体の見守り事業とは?

多くの市区町村が、高齢者向けに、緊急通報装置の貸与、配食サービスを通じた安否確認、民生委員や地域ボランティアによる見守りなどを行っている。対象の年齢や条件、費用は自治体ごとに違うので、地域包括支援センターや市区町村の窓口に問い合わせるといい。

見守りサービスを選ぶときの注意点は?

異変に気づいたあと、誰に連絡が行き、誰が動くのかを確かめることだ。通知を受ける人がいなければ意味がない。緊急連絡先と組み合わせ、部屋の鍵をどうするかも決めておく必要がある。

出典・参考資料

  1. 内閣府 孤独・孤立対策推進室「令和7年の孤立死者数の推計について」(警察庁のデータによる。数値は報道による)
  2. 各市区町村の高齢者見守り事業、緊急通報システムの案内
  3. 国土交通省・厚生労働省「居住サポート住宅」の案内
  4. 費用と気づくまでの日数は、編集部による目安