79mの高さから、最高速度130km/hで落ちていく。座席が回転し、空と地面が何度も入れ替わる。直角を超える121度の角度で、真っ逆さまに落ちる。富士急ハイランドは、絶叫マシンの聖地だ。
だが、絶叫マシンには連れの問題がある。カップルで行けば、どちらかが「怖いから無理」と言う。家族で行けば、子供は身長制限で乗れない。父親は子供用の乗り物の列に並び、遠くから聞こえるFUJIYAMAの悲鳴をうらやましく聞いている。
一人で行けば、乗りたいマシンに、乗りたいだけ乗れる。同じコースターに3周してもいい。この記事では、富士急ハイランドを一人で最大限に回す作戦、料金、絶叫マシンの選び方、東京からの行き方までまとめた。料金や運行状況は変わるので、行く前に公式サイトで確認してほしい。
この記事の結論
- 富士急は入園無料。乗り放題のワンデイパスは大人6,000〜7,900円の日替わり
- 一人なら、連れの「怖い」に邪魔されず、絶叫マシンを何周でもできる
- 平日の開園前に着き、いちばん乗りたいコースターから並べ
- 待ち時間の長いものには、有料の優先券を1人分だけ使え
- 新宿から高速バスで約2時間。帰りの便は早めに押さえろ
絶叫マシンは、一人で乗るのがいい
絶叫マシンを一人で乗るべき理由は、恐怖の感じ方が人によってまるで違うからだ。絶叫好きにとって最高のコースターも、苦手な人には地獄だ。連れが苦手なら、乗るのを諦めるか、一人で乗って相手を待たせるしかない。
一人なら、そんな気づかいは一切いらない。乗りたいマシンに乗り、気に入ったらもう一周。怖すぎて降りたあとに膝が震えても、誰にも見られない。恐怖と、自分だけで向き合う。それが、一人の絶叫マシンの醍醐味だ。
しかも、富士急ハイランドは一人で行きやすい遊園地だ。客の多くは、絶叫マシンに乗るために来ている。キャラクターやパレードを目当てにしたパークとは違い、一人で何度も同じコースターに並ぶ絶叫好きも珍しくない。
入園無料と、ワンデイパス
富士急ハイランドは、入園無料だ。アトラクションに乗るときに、乗り物ごとの料金を払うか、乗り放題のパスを買う。公式サイトによると、大人(18〜64歳)のワンデイパスは6,000〜7,900円で、日によって料金が変わる。
富士急ハイランドの大人の料金(公式サイトより)
Fig. 01ワンデイパスの料金は、混む日ほど高く、空いている日ほど安い。一人で行くなら、空いていて料金も安い平日を選ぶのが当然だ。空いている日に安いパスで、より多く乗る。平日に動ける独身の男にとって、これほど有利な仕組みはない。
入園無料なので、乗りたいマシンが1つか2つなら、乗り物ごとに払った方が安いこともある。何に何回乗るかを決めてから、パスにするかどうかを判断しろ。ただし、お化け屋敷など、ワンデイパスの対象外のアトラクションもある。
一人で乗るべき絶叫マシン
| マシン | 特徴 | 一人で乗るポイント |
|---|---|---|
| FUJIYAMA | 1996年に登場。高さ79m、最高速度130km/h。「キング・オブ・コースター」と呼ばれる | 富士急の原点。高い所から富士山が見える瞬間を一人で味わう |
| ええじゃないか | 座席そのものが回転する4次元のコースター。回転数14回 | 天地が何度も入れ替わる。連れの悲鳴を気にせず、自分の悲鳴に集中できる |
| 高飛車 | 最大落下角度121度。直角を超える角度で落ちる | 落ちる直前の、真っ暗な数秒が怖い |
代表的なコースターの最高速度
Fig. 02どのマシンも、高速道路を走る車と同じか、それ以上の速さで走る。しかも、その速さで落ち、回り、ひねられる。乗る順番は、園内の比較的おだやかな乗り物から始めて、体を慣らしてから最恐のものへがいい。いきなり一番怖いものに乗ると、一日の残りを体調不良で過ごすことになる。
絶叫マシンは、強風や雨、点検で運休することがある。行く日の朝に、公式サイトやアプリで運行状況を確認しておけ。年齢や身長、体格、持病による利用制限もある。酒を飲んだあとは乗れない。
ワンデイパスにするか、乗るたびに払うか
入園無料の富士急では、ワンデイパスを買うか、乗るたびに払うかを自分で選べる。判断の基準は単純だ。その日に乗るつもりのアトラクションの料金を合計し、ワンデイパスの値段と比べればいい。
絶叫マシンを本気で回すつもりなら、たいていはワンデイパスの方が得になる。人気のコースターは1回あたりの料金が高めに設定されていることが多く、何本か乗るだけでパスの値段に近づく。逆に、「FUJIYAMAに1回だけ乗って、あとは富士山を眺めて帰る」という日なら、都度払いの方が安い。
一人なら、この計算が自分一人の予定だけで完結する。家族連れは、子供が乗れるもの、妻が乗りたいもの、自分が乗りたいものがばらばらで、誰にパスを買うかで悩む。一人は、自分が何本乗るかだけを考えればいい。各アトラクションの料金は、公式サイトの料金ページで確認しておけ。
一人の休憩の取り方
絶叫マシンは、思っている以上に体力を使う。強い力で体が押しつけられ、回され、緊張で全身に力が入る。何本も続けて乗ると、気づかないうちに疲れがたまる。
一人なら、休むタイミングも自分で決められる。3本乗ったら、ベンチで富士山を眺めて15分休む。昼飯のあとは、すぐに回転系に乗らず、30分ほど落ち着いてから乗る。園内からは、天気がよければ富士山が大きく見える。絶叫の合間に、日本一の山をぼんやり眺める時間も、富士急ならではの楽しみだ。
一人客向けの仕組みはあるか
テーマパークには、一人で乗る客を先に案内するシングルライダーの仕組みを持つところがある。富士急ハイランドの公式のチケット案内では、常設のシングルライダーの記載は確認できなかった。
ただし、富士急は2018年に、一人客専用のパスを期間限定で販売したことがある。大人のフリーパスより安く、FUJIYAMAと高飛車で空席が出たときに、一人客を優先して乗せる仕組みだった。当時の報道によると、富士急行は「一人客専用のパスはほかに聞いたことがない」と話していた。
富士急は、一人客を歓迎する遊園地だと言っていい。今、一人客向けの仕組みがあるかは、行く前に公式サイトで確認しろ。仕組みがなくても、コースターで奇数のグループのために1席空いたとき、一人客が先に呼ばれることはある。声がかかったら、迷わず手を挙げろ。
優先券は、1人分だけ使え
富士急ハイランドには、待ち時間を短くするための有料の優先券がある。人気のコースターの待ち時間は、休日には数時間になることもある。
優先券は1人ごとに料金がかかる。家族4人で使えば4人分だが、一人なら1人分で済む。いちばん待ち時間の長い1つか2つにだけ、優先券を使え。全部に使うと、ワンデイパスより高くなる。対象のアトラクションや料金、販売状況は日によって違うので、公式サイトで確認しておけ。
一人で回す、一日の作戦
- 平日を選ぶワンデイパスが安く、待ち時間も短い。学校の休みの時期は避ける。
- 開園前に着く高速バスの朝の便で、開園前に着いておく。
- 最初に、いちばん乗りたいコースターへ開園直後の待ち時間が短いうちに、いちばん混むものに並ぶ。
- 入りやすいものと怖いものを交互に体を休めながら回る。連続で最恐のものに乗ると、体がもたない。
- 昼飯は時間をずらす11時か14時に食べる。食後すぐに回転系のマシンに乗るのは避けろ。
- アプリで待ち時間を見て組み替える運休や待ち時間の変化に合わせて、次に乗るものを決める。
- 最後は、もう一度お気に入りへ閉園前に、その日いちばんよかったマシンにもう一度乗る。
一人なら、作戦の変更が一瞬でできる。待ち時間が急に短くなったマシンに走れる。運休が出たら、すぐに別のマシンに切り替えられる。グループで相談している時間は、一人にはない。
平日に行け
富士急ハイランドは、土日と学校の休みの時期は非常に混む。人気のコースターの待ち時間は、休日には何時間にもなることがある。一人で多く乗るなら、平日しかない。
- パスが安い:日替わりの料金は、平日の方が安い日が多い
- 待ち時間が短い:同じ時間で乗れる数が増える
- 一人客の割合が高い:平日は、大人の絶叫好きの一人客が目立つ
東京からの行き方
| 方法 | 所要時間の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 高速バス(新宿から) | 約2時間 | 富士急ハイランドの前に止まる便がある。乗り換えなしで楽 |
| 電車(大月で乗り換え) | 2時間前後 | JR中央線で大月まで行き、富士山麓電気鉄道に乗り換える |
| 車 | 道路状況による | 休日の中央道は渋滞する。一人なら高速バスが楽 |
一人なら、高速バスがいちばん楽だ。新宿から乗れば、寝ている間に着く。帰りの便は、必ず早めに予約しておけ。閉園の時間に合わせた便は混み、予約が取れないと帰れなくなる。
泊まって、二日回す
絶叫マシンを本気で回すなら、近くに泊まって二日がかりにするのもいい。一日目の夕方に着いて、翌日の開園からまる一日。または、一日目に乗り倒し、二日目は富士五湖の周りを観光して帰る。
富士急ハイランドの周りには、河口湖や富士五湖の温泉がある。一日中、絶叫マシンで叫び、夜は温泉で体をほぐし、富士山を眺める。翌朝、もう一度乗りに行く。一人だから、宿も一人分、予定も自分だけで決められる。
お化け屋敷にも、一人で入れ
富士急ハイランドには、長い歩行型のお化け屋敷もある。ワンデイパスの対象外で、別料金になっていることが多い。
お化け屋敷は、一人で入るのがいちばん怖い。グループなら、怖くても誰かの後ろに隠れられる。一人なら、暗い通路の先へ、自分の足で進むしかない。絶叫マシンとは違う種類の恐怖を、一人で味わえ。途中でリタイアできる出口があるかは、入る前に確認しておけ。
体調に気をつけろ
- 寝不足で行かない:寝不足のまま回転系のマシンに乗ると、気分が悪くなりやすい
- 食後すぐに乗らない:満腹で乗ると、つらいことになる
- 水分をとる:夏は暑く、冬は山の近くで寒い。季節に合った服装と水分を
- 酒は最後に:飲酒後は乗れない。ビールは、全部乗り終えてからの楽しみにしろ
- 首と腰に不安があれば無理をしない:強い衝撃のあるマシンは、体に負担がかかる
一人で行くと、体調が悪くなっても気づいてくれる人がいない。少しでもおかしいと思ったら、休め。一日に乗れる数より、無事に帰ることが大事だ。
一人の富士急と、家族の富士急
一人の富士急
- FUJIYAMAに、気に入ったら3周
- 平日の安いパスで、待ち時間も短い
- 優先券は1人分だけ、いちばん混むものに
- 夜は河口湖の温泉で、一人で体をほぐす
家族の富士急
- 子供は身長制限で、絶叫マシンに乗れない
- 子供用の乗り物の列に並び続ける
- 優先券は4人分で高いから諦める
- 帰りの中央道は大渋滞、子供は車で寝ている
もちろん、子供と一緒に遊ぶ遊園地にも、その人なりの楽しさはあるのだろう。だが、連れの「怖い」にも身長制限にも縛られず、乗りたい絶叫マシンに乗りたいだけ乗る一日は、一人で来た男にしか手に入らない。
お前がFUJIYAMAに最後に乗ったのはいつだ。独身のころ、友達と行ったきりだろう。今は子供の身長が伸びるのを待つしかないし、伸びたころには、お前の腰が先に悲鳴を上げている。俺は体が動くうちに、乗りたいマシンに乗りたいだけ乗る。人生の絶叫マシンに乗れる時間は、思っているより短い。
まとめ:一人で、絶叫マシンを回しまくれ
富士急ハイランドは、絶叫マシンの聖地だ。入園は無料で、乗り放題のワンデイパスは大人6,000〜7,900円の日替わり。FUJIYAMA、ええじゃないか、高飛車など、高速道路を走る車と同じかそれ以上の速さで落ち、回るマシンが並ぶ。一人なら、連れの「怖い」に邪魔されず、乗りたいマシンに何周でも乗れる。
平日の開園前に着き、いちばん乗りたいものから並べ。待ち時間の長いものには優先券を1人分だけ使う。新宿から高速バスで約2時間、帰りの便は早めに予約しろ。2018年には一人客専用のパスを試したこともある、一人に優しい遊園地だ。料金や運行状況、一人客向けの仕組みは変わるので、行く前に公式サイトで確認してほしい。
体が動くうちに、一人で絶叫マシンを回しまくれ。末代で何が悪い。
よくある質問
富士急ハイランドに男一人で行っても浮かない?
浮かない。富士急は絶叫マシンが目的の客が多く、一人で何度も同じコースターに乗る絶叫好きもいる。列に並んでしまえば、周りはこれから乗るマシンのことで頭がいっぱいだ。平日なら、さらに一人で回りやすい。
富士急ハイランドの料金は?
公式サイトによると、入園は無料で、アトラクションごとに料金がかかる。乗り放題のワンデイパスは、大人(18〜64歳)が6,000〜7,900円で、日によって料金が変わる。お化け屋敷など、パスの対象外のアトラクションもある。料金は公式サイトで確認してほしい。
富士急にシングルライダーはある?
公式のチケット案内では、常設のシングルライダーの記載は確認できなかった。ただし、富士急は2018年に一人客専用のパスを期間限定で販売し、空席が出たときに一人客を優先して乗せる仕組みを試したことがある。一人客向けの仕組みがあるかは、行く前に公式サイトで確認してほしい。
富士急で一人で多く乗るコツは?
平日の開園前に着き、いちばん乗りたいコースターに最初に並ぶことだ。待ち時間の長いものには、有料の優先券を1人分だけ使う。昼飯は時間をずらし、天気と運休の情報をアプリで見ながら、乗る順番を組み替えていく。
東京から富士急ハイランドへの行き方は?
新宿から高速バスで約2時間、または電車で大月駅から富士山麓電気鉄道に乗り換えて行ける。高速バスは富士急ハイランドの前に止まる便がある。帰りの便は早めに予約しておくといい。
出典・参考資料
- 富士急ハイランド公式サイト「チケット」
- 乗りものニュース「遊園地も『おひとりさま』の時代?」(2018年、一人客専用パスの報道)
- 富士急ハイランドの公式情報・報道発表(各コースターの仕様)