高さ2mの壁に囲まれた通路を、右に曲がり、左に曲がり、また行き止まり。さっき通った気がする分かれ道に戻ってくる。地図はない。頼れる仲間もいない。自分の頭だけで、出口を探す。巨大迷路は、一人で挑んでこそ面白いアトラクションだ。
巨大迷路は、子供の遊びだと思われている。家族で行き、子供が先に走っていくのを追いかける場所だ。家族持ちの男にとっては、迷路の中ではぐれた子供を探して走り回り、迷路を解くどころではない場所だ。
一人で行けば、巨大迷路は大人の頭脳戦になる。この記事では、東京から行ける関東の巨大迷路・立体迷路、一人で攻略するコツ、そして都内で迷路の代わりになる謎解きまでまとめた。営業期間や料金は変わるので、行く前に公式サイトで確認してほしい。
この記事の結論
- 巨大迷路は、一人で挑んでこそ面白い。自分の頭だけで出口を探す
- 都内には少ない。関東の遊園地・公園・牧場まで遠足に出ろ
- 料金は大人で数百円から1,000円ほど。遊園地の中なら入園料が別
- 平面の迷路なら「片手を壁につけて進む」が基本の攻略法
- 都内で頭を使いたいなら、一人で参加できる謎解きゲームがある
なぜ、大人の男が一人で迷路に挑むのか
巨大迷路を一人で楽しむ理由は、誰にも頼らず、自分の判断だけで進む体験だからだ。グループで入れば、誰かが「こっちだ」と言い、みんながついていく。間違えても、誰かのせいにできる。一人なら、右に行くか左に行くか、全部自分で決めて、全部自分で責任を取る。
そして、迷路は頭を空っぽにして、頭を使う遊びだ。仕事の悩みも、明日の予定も、迷路の中では考えていられない。考えるのは、次の分かれ道をどちらに曲がるかだけ。目の前の一つの問題に集中する時間は、日常ではなかなか手に入らない。
しかも、迷路は一人でも浮きにくい。中に入れば高い壁に囲まれ、他の人と顔を合わせるのは分かれ道ですれ違うときくらいだ。家族連れがいても、迷路の中ではみんな自分の道を探している。
迷路は、もともと大人の遊びだった
迷路は子供の遊びだと思われているが、歴史をたどると、大人のための遊びだった。ヨーロッパの宮殿や貴族の庭園には、生け垣で作られた迷路があり、大人たちが散歩や遊びに使っていた。イギリスのハンプトン・コート宮殿の生け垣の迷路は、17世紀の終わりごろに作られ、今も残る古い迷路として知られている。
日本でも、1980年代の後半に、各地に巨大迷路が作られるブームがあったと言われる。大人も子供も、休日に巨大迷路に並んだ。その後ブームは去ったが、今でも大人料金を設けて、大人が挑むことを前提にした迷路は各地に残っている。迷路を楽しむのに、年齢は関係ない。むしろ、方向感覚と記憶力を使い切る大人の方が、迷路の面白さを深く味わえる。
迷路の種類
| 種類 | 特徴 | 大人一人の面白さ |
|---|---|---|
| 平面の巨大迷路 | 高い壁で区切られた、広い平面の迷路。スタンプやチェックポイントを回るものも | 広さと方向感覚の勝負。いちばん「迷う」体験 |
| 立体迷路 | 何階もの建物の中に作られた迷路。上下の移動がある | 階段や橋で上下に動くので、頭の中の地図が崩れる |
| とうもろこし迷路 | 夏の畑に作られる期間限定の迷路。背の高いとうもろこしが壁になる | 夏だけの遊び。自然の中で迷う |
| 謎解き迷路 | クイズや謎を解きながら進む迷路 | 方向感覚と頭脳の両方を使う |
大人の男に最初にすすめたいのは、平面の巨大迷路だ。広く、壁が高く、本当に迷う。慣れてきたら、上下の移動で頭が混乱する立体迷路に挑め。夏なら、期間限定のとうもろこし迷路もいい。
東京から行ける、関東の巨大迷路・立体迷路
都内には、大人が本気で挑める大きな迷路は少ない。だが、関東の遊園地や公園には、大人も楽しめる迷路がある。
| No. | 迷路 | 場所 | 種類 | 料金の例 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 巨大迷路パラディアム | 栃木・日光 | 平面の巨大迷路(約3,500㎡) | 中学生以上1,000円 |
| 2 | 清水公園 アスレチックの迷路ゾーン | 千葉・野田 | 森の中の迷路。直感と謎解きの2コース | 中学生以上1,000円(事前予約) |
| 3 | さがみ湖MORIMORIの立体迷路 | 神奈川・相模原 | 400以上のブロックの立体迷路 | 700円(入園料が別) |
| 4 | モビリティリゾートもてぎの立体迷路 | 栃木・茂木 | 5階建ての立体迷路 | 900円(入園料が別) |
| 5 | ローマの森の大迷路 | 千葉・君津 | 木の壁の屋外の大迷路 | 800円(入園料が別) |
| 6 | 江戸ワンダーランド 日光江戸村の忍者迷路 | 栃木・日光 | ことわざを手がかりに進むからくり迷路 | 入村料に含まれる |
料金は、子連れ向けの情報サイトに掲載された例で、変わることがある。遊園地や公園の中の迷路は、入園料が別にかかることが多いので注意しろ。夏には、牧場などでとうもろこし畑の迷路が期間限定で開かれることもある。栃木の那須の牧場では、約9,500㎡のとうもろこし迷路が夏に開かれている。
迷路の広さを、身近なもので比べる
巨大迷路の「巨大」とは、どのくらいなのか。テニスコート(ダブルスのコートで約261㎡)と比べてみる。
巨大迷路の広さ(テニスコート何面分か)
Fig. 01日光の巨大迷路は、テニスコート13面分ほどの広さがあり、平均で約40分かかるとされる。夏のとうもろこし迷路は、その倍以上の広さだ。これだけの広さを、壁に囲まれて歩くと、方向感覚はすぐに失われる。大人でも本当に迷う。
一人で攻略するコツ
- 入る前に、全体の形と出口の方角を見ておく入口の案内図や、高い場所から迷路を見られるなら、出口がどの方角にあるかを確認しておく。
- 片手を壁につけて進む右手(または左手)を壁から離さずに歩き続けると、壁がすべてつながっている平面の迷路なら、遠回りでも必ず出口にたどり着く。
- 太陽の位置を目印にする屋外の迷路なら、太陽の方角で自分の向きがわかる。
- 行き止まりを覚える同じ行き止まりに二度入らないように、目印になる場所を覚えておく。
- スタンプは順番を決めるチェックポイントを回る迷路は、近いものから順に回るように、通った道を頭の中で地図にしていく。
「片手を壁につけて進む」方法は、多くの平面の迷路で使える基本の攻略法だ。ただし、壁がつながっていない島のような部分がある迷路や、上下に移動する立体迷路では、うまくいかないことがある。そういう迷路は、自分の頭で地図を作るしかない。それが、一人で挑む醍醐味だ。
片手を壁につける方法は、確実だが、面白さが半減する。最初の一回は、攻略法を使わずに、自分の勘と記憶だけで挑め。どうしても出られなくなったら、そこで片手を壁につければいい。リタイアの出口がある迷路も多い。
一人の記録に挑む
巨大迷路の中には、入口と出口で時間を記録するタイムカードを使うものがある。一人で行くなら、自分のタイムに挑む楽しみ方ができる。
1回目は、迷いながら40分。2回目は、覚えた道を使って25分。グループで行くと、誰かの足が遅かったり、誰かが別の道に行きたがったりして、タイムは自分の実力ではなくなる。一人なら、タイムはそのまま自分の頭の記録だ。何度か挑めば、迷路の構造が頭の中に地図として浮かんでくる。その感覚は、ちょっとした快感だ。
迷路は平日に行け
巨大迷路は、土日と夏休みは家族連れで混む。通路は子供で埋まり、走り回る子供とぶつかりそうになる。一人で集中して挑むなら、平日がいい。
- 迷路の中が静か:自分の足音と、風の音だけ。本当に迷っている感覚が強くなる
- 人の流れに惑わされない:混んでいると、人の流れについていけば出口に着いてしまう。平日は自分の頭だけが頼り
- 何度でも挑める:空いていれば、続けて2回、3回と挑んで、タイムを縮められる
料金の目安
関東の巨大迷路・立体迷路の料金の例(大人1回)
Fig. 02迷路そのものは、1,000円以下で挑めるものが多い。遊園地の中の迷路は入園料が別にかかるが、ほかのアトラクションと合わせて一日遊べる。交通費のほうが高くつくので、迷路だけでなく、周りの温泉や観光と組み合わせて小さな旅にするといい。
迷路を、一人旅の目的にする
関東の巨大迷路の多くは、東京から電車や車で1〜3時間の場所にある。迷路だけに行くのはもったいない。一人旅の目的の一つにしろ。
- 日光:巨大迷路のあとに、日光東照宮や温泉。泊まりで行けば、翌日に江戸村の忍者迷路にも挑める
- 相模湖:遊園地の立体迷路と、相模湖の湖畔の散歩。新宿から電車で行ける
- 茂木:サーキットのあるリゾートで、立体迷路とアスレチック
- 千葉:野田の公園のアスレチックと迷路で、一日体を動かす
迷路で頭を使い、温泉で体を休める。頭と体を両方使い切る一人旅だ。
迷路のために遠出するなら、営業日と天気は必ず確認しておけ。屋外の迷路は、雨や強風で閉まることがある。季節営業の迷路や、冬は休む迷路もある。せっかく片道2時間かけて行って、休業日だったら目も当てられない。前の晩に公式サイトを一度見る。それだけで防げる失敗だ。
都内なら、謎解きゲームが代わりになる
都内には大きな迷路は少ないが、謎解きゲームや脱出ゲームの施設は多い。頭を使って答えや出口にたどり着く楽しさは、迷路とよく似ている。
- 常設の謎解き施設:施設の中を歩き回りながら謎を解く。一人で挑めるものもある
- 一人用の公演:チームではなく、一人で参加する形の謎解きもある
- 街歩きの謎解き:キットを買って、街を歩きながら謎を解く。一人で好きなペースで進められる
- 持ち帰りの謎解き:家で解ける謎解きのキット。雨の日に
チームで参加する公演は、知らない人と組むことになるものもある。一人で参加できるか、一人用の形式があるかを、公演ごとに確認しろ。街歩きの謎解きなら、迷路と同じように、一人で自分のペースで歩き回れる。
持ち物と注意
- 歩きやすい靴:迷路は思ったより歩く。40分で数kmになることもある
- 水分:屋外の迷路は、夏は特に暑い。日陰が少ないので、水と帽子を忘れるな
- 時間に余裕を:入場の締め切り時間がある迷路も多い。遅い時間に入ると、出られる前に閉まる心配が出る
- 壁に登らない、壁を壊さない:迷路の壁を越えたり、近道を作ったりしない
- 子供に気をつける:狭い通路で走ってくる子供とぶつからないように
一人の迷路と、家族の迷路
一人の迷路
- 右か左か、全部自分で決める
- タイムカードで、自分の頭の記録に挑む
- 2回目は、頭の中の地図で最短を狙う
- 迷路のあとは、温泉で頭と体を休める
家族の迷路
- 先に走っていった子供を見失う
- 迷路を解くより、子供を探している
- 「疲れた」と座り込む子供をおんぶ
- 結局リタイアの出口から出る
もちろん、子供と一緒に迷う時間にも、その人なりの楽しさはあるのだろう。だが、自分の頭だけで出口を探し、自分の記録に挑む時間は、一人で来た男にしか手に入らない。
お前の毎日は、すでに迷路だ。上司と妻と子供の要望の間で、出口のない通路をぐるぐる回っている。しかもリタイアの出口はない。俺の迷路は40分で出口に着く。出られなかったら、片手を壁につければいい。迷路で遊べるのは、人生が迷路になっていない男の特権だ。
まとめ:自分の頭だけで、出口を探せ
巨大迷路は、一人で挑んでこそ面白い。誰にも頼らず、自分の判断だけで右か左かを決める。都内には大きな迷路は少ないが、関東には日光の巨大迷路(約3,500㎡、平均約40分)、相模湖や茂木の立体迷路など、大人も楽しめる迷路がある。料金は大人で数百円から1,000円ほどで、遊園地の中なら入園料が別だ。
平面の迷路なら片手を壁につけるのが基本の攻略法だが、最初は使わずに挑め。タイムカードがあれば、自分の記録を縮めろ。平日に行き、温泉や観光と組み合わせて一人旅にする。都内なら、一人で参加できる謎解きゲームが代わりになる。営業期間や料金は変わるので、行く前に公式サイトで確認してほしい。
高い壁の間で、自分の頭だけを頼りに出口を探せ。末代で何が悪い。
よくある質問
巨大迷路に大人の男一人で行っても浮かない?
家族連れは多いが、迷路の中に入ってしまえば周りはほとんど気にならない。壁に囲まれていて、他の人と顔を合わせる時間は短い。平日に行けば、さらに人は少ない。大人料金を設けている迷路も多く、大人が挑むことは想定されている。
東京から行ける巨大迷路はある?
都内には大きな迷路は少ないが、関東の遊園地や公園、牧場に巨大迷路や立体迷路がある。栃木の日光や茂木、千葉の野田や君津、神奈川の相模湖などだ。夏には牧場などでとうもろこし畑の迷路が開かれることもある。営業期間と料金は公式サイトで確認してほしい。
巨大迷路の料金は?
大人で数百円から1,000円ほどが多い。日光の巨大迷路パラディアムは中学生以上1,000円、相模湖の立体迷路は700円などの例がある。遊園地の中の迷路は入園料が別にかかることが多い。料金は変わることがあるので、行く前に確認してほしい。
巨大迷路を一人で攻略するコツは?
片方の手を壁につけたまま進む「右手法(左手法)」は、多くの平面の迷路で出口にたどり着ける基本の方法だ。ただし、立体迷路や、壁がつながっていない迷路では使えないことがある。スタンプを集める迷路では、通った分かれ道を覚えながら、行き止まりを一つずつ消していくといい。
都内で迷路の代わりになる遊びは?
謎解きゲームや脱出ゲームがある。都内には常設の謎解き施設や、一人で参加できる公演もある。頭を使って出口や答えにたどり着く楽しさは、迷路と同じだ。一人参加ができるかは、公演ごとに確認してほしい。
出典・参考資料
- いこーよ「関東の巨大迷路&立体迷路おすすめ10選」(各迷路の料金・広さの掲載例)
- 那須千本松牧場「夏フェス」のとうもろこし迷路の案内
- 各施設の公式サイト(営業期間・料金は変更されることがあるため、来園前に確認のこと)